環境化学
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ポリ塩化ビニル製品からのビスフェノールAの溶出
鈴木 昌子青山 大器大野 浩之中島 重人岩間 雅彦三谷 一憲
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2004 年 14 巻 2 号 p. 375-379

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抄録
食品用器具・容器包装など20検体についてBPAの材質試験および溶出試験を行った。手袋4検体および注ぎ口2検体からBPAが検出された。水を溶出溶媒とし, 60℃, 30分間溶出試験を行った結果, 材質中に含有するBPAの7.3~69.6%の溶出が認められた。PVCでは製品中にBPAが含有されている場合, PCなどに比べて溶出されやすい傾向がみられた。さらに, BPAが検出された試料を用いて, 溶出条件を変えて試験を行ったところ, 20%エタノールを溶媒に用いた場合, 溶出温度が高い場合に溶出量が増加する結果が得られた。今回検出された濃度レベルは, 最も高いものでは食品衛生法のPCで定められている溶出試験の規格値付近の値を示しており, 今後より多くのデータの蓄積が必要と思われる。
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© 日本環境化学会
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