環境化学
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大学新築校舎における室内環境汚染化学物質の濃度推移の特性と類型化
伏脇 裕一森 康明粕谷 奈穂村上 和雄岡 敬一
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2005 年 15 巻 2 号 p. 321-333

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抄録
大学新築校舎における室内環境汚染化学物質の濃度推移とそれらの類型化を試みた。その結果, ホルムアルデヒドのような化学物質は温度の影響を受けて夏期に高濃度を示したが, 年間を通してみると濃度は減衰していた。一方, トルエンや酢酸エチルのような化学物質は竣工直後から相対的に低濃度であり, 温度の影響を受けずに時間の経過と共に濃度の増加と減少を繰り返していた。
測定したデータをクラスター分析で類型化することができた。クラスター分析の結果より, 経月変化, 暖房時, 冷房時とでは多少類型化が異なっていた。このことは, 室内の温度等の影響や化学物質の持つ沸点, 蒸気圧, 水溶解度等の物性値等の特性によって化学物質がそれぞれ異なる挙動を示したためと考えられる。
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© 日本環境化学会
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