環境化学
Online ISSN : 1882-5818
Print ISSN : 0917-2408
ISSN-L : 0917-2408
環境中のN-ニトロソ化合物
松居 正己彼谷 邦光
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 2 巻 1 号 p. 1-17

詳細
抄録
N-ニトロソ化合物は発癌性物質として知られているが, 環境中でのN-トロソ化合物の生成, 防止, 分析法および存在量について紹介した。
N-ニトロソ化合物はN-ニトロソアミンとN-ニトロソアミドに大別され, 生成条件が異なる。
生成の抑制はアスコルビン酸, トコフェロール, 没食子酸, 亜硫酸, スルファミン塩などがN-ニトロソアミンの生成に防止効果がある。
分析法にはThermal Energy Analyzerを検出器としてGCやHPLCと結合した方法や高分解能のGCMS法がある。
食品ではNDMAやNPRO, タバコには発癌タバコ特異性ニトロソアミン, 金属加工の切削油には多量のNDELA, ゴムにはNDMA, NDEA, NDBA, NMOR, NPIP, NDPhAなど, 医薬品や化粧品にはNDMAやNDELAなど, 農薬にはNDMA, NDEA, NDPA, NMORなど, 大気や河川からNDMAなどの生成が確認されている。
著者関連情報
© 日本環境化学会
次の記事
feedback
Top