抄録
umuテストの簡易化に関する研究の一環としてフローインジェクションを利用する手法を検討した。Salmonella typhimurium TA1535/pSK1002株を用いたumuテストにおける変異原性測定指標であるβ-galactosidaseの活性を測定するために, フローインジェクション反応蛍光検出装置を作成した。この装置で, 酵素反応基質の4-Methy lumbelliferyl-β-D-galactopyranoside溶液を送液し, これにumuテストで生成したβ-galactosidaseを注入して, 両者をテフロンチューブ内で酵素反応させ, その酵素反応生成物である4-Methylumbelliferonの蛍光を測定できることが確認された。本手法は, 代謝活性化酵素系S9mix添加系及び無添加系の変異原性物質にも有効であることが認められた。