環境化学
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コールタールピッチ及び大気浮遊粉塵中のC12~C45の多環芳香族炭化水素及び縮合複素環化合物のキャラクタリゼーション
鈴木 茂金子 竹男土屋 正彦
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1996 年 6 巻 4 号 p. 511-520

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抄録

タールに含まれるC12からC45の多環芳香族炭化水素 (PAH) 及び縮合複素環化合物 (FHC) について, 複数の質量分析法により成分組成を求めた。半揮発性のPAH及びFHCは, GC/MSにより検索した。液体イオン化 (LI) 質量分析法により, タール中のC45までのPAH及びFHCのMH+を測定した。LIスペクトルにおけるPAHとFHCの識別には, LIイオン源にメタノールを気相マトリックスとして導入して得られたスペクトルと比較する方法が有効であった。構造の確認されたPAH及びFHCに, それらから6員環の増加する原理を適用して分子量マップを作り, LIスペクトルのピークの大部分を帰属した。
上記と同様にして大気粒子状物質の抽出物のC37以下のPAH, FHC, フタル酸エステル, 脂肪酸エステル, 脂肪酸, 農薬に相当するイオンをLIスペクトルで確認した。

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