抄録
培養株細胞のHL60細胞に化合物との混在下でエレクトロポレーション処理を行う細胞毒性スクリーニング法の開発を試みた。このスクリーニング法により培養株細胞には通常の処理法では細胞内に取り込まれないペプチド化合物のDHBmicrocystin-RR及びmicrocystin-LRの細胞毒性を検出することが可能となった。一方, 通常の処理法で細胞毒性を発現する2- (2-Furyl) -3- (5-nitro-2-furyl) acrylamideは, エレクトロポレーションの処理, 非処理にかかわらず細胞毒性への効果に差は認めらず, 能動的に細胞内に取り込まれない化合物に対して有効な手法であることが示された。本スクリーニング法は初代培養肝細胞による毒性試験法や動物実験: の代替法の一つとして有効であることが示唆された。