48歳女性。ケトプロフェン含有湿布剤で左足背の光接触皮膚炎を起こした翌年の夏に,前腕にサンスクリーンによる光接触皮膚炎を起こした。ケトプロフェン含有湿布剤の成分別光パッチテストにて,ケトプロフェンの光パッチテスト陽性とともに,ケトプロフェンの光感作を抑制させる目的で添加されていたUVA吸収剤アボベンゾンに,パッチテストおよび光パッチテスト陽性を示した。翌年夏に光接触皮膚炎を起こしたサンスクリーンにはアボベンゾンが含まれていたため,原因成分と考え,以降アボベンゾン含有サンスクリーンを禁止とした。ケトプロフェン含有湿布剤による光接触皮膚炎患者においては,原因成分がケトプロフェンによるものと決めつけずに,全成分の成分別パッチテストをすべきであること,それをもとに,その後のサンスクリーンをはじめとした紫外線吸収剤含有製品の選択を指導すべきであると考えた。