2020 年 32 巻 1 号 p. 18-23
1992~1997年と2015~2017年の地域住民検診に参加した58名106膝を対象に,膝OAの発症に関連する下肢冠状面X線パラメータと,膝OAの進行に関連する脊椎矢状面アライメントの変化を検討した.下肢X線パラメータのなかで,膝OA発症に関連する因子はMPTAであった.膝OAの進行と関連する脊椎の経年的変化値はSVAであった.脛骨近位の内反が大きいことが膝OA発症因子の一つとして考えられ,膝OAの進行とともに脊椎前方への偏位が進行することが示唆された.