2016 年 23 巻 2 号 p. 59-61
外傷性の肘関節内側側副靱帯(以下MCL)または肘関節外側側副靱帯(以下LCL)の損傷に対してsuture anchorを用いた靱帯修復術を行った症例の臨床成績を報告する.対象は19肘,平均年齢35.7歳(13~67歳)であった.MCLのみの修復4肘,LCLのみの修復10肘,MCLとLCLの両側修復5肘であった.2週間の外固定後に可動域訓練を開始した.最終観察時の可動域,JOA-JES score,MRIによる靱帯修復状態,徒手検査における不安定性を検討した.平均可動域は伸展-1.6度,屈曲139.4度,平均JOA-JES scoreは97.6点であった.MRIでは靱帯修復状態は全例良好で徒手検査で不安定性を認める症例はなかった.確実な靱帯修復を行うことにより早期から積極的な可動域訓練が可能となり,良好な結果が得られた.