2016 年 23 巻 2 号 p. 72-74
目的:橈側列形成障害と橈尺骨癒合症合併例の特徴を調査すること.
方法:橈尺骨癒合症42例のうち橈側列形成障害合併症例を対象とし,性別,罹患側,母指形成不全の程度,橈尺骨癒合の程度,基礎疾患,および手術例の経過を調査した.
結果:男児2例,女児2例,両側3例,片側(右)1例であった.母指は欠損5手,低形成2手,および合指合併が5手であった.橈尺骨癒合の程度は完全癒合3肢,不完全癒合4肢で,不完全癒合のうち近位と遠位でそれぞれ癒合していたのが3肢,近位1/3癒合が1肢であった.基礎疾患はHolt-Oram症候群とNager症候群がそれぞれ1例ずつであった.近位1/3癒合例に橈骨回旋骨切り術を施行したが,回旋に難渋し,再骨切り術を要した.
考察:橈側列形成障害に合併する橈尺骨癒合症では,母指形成不全が重症で,合指も合併していた.橈尺骨癒合の範囲は大きく,非典型例が多かった.