日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
橈骨頭粉砕骨折に対する人工橈骨頭挿入術の治療成績
志村 治彦若林 良明新関 祐美鈴木 志郎鈴木 英嗣
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2019 年 26 巻 2 号 p. 54-57

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抄録
 橈骨頭粉砕骨折に対する人工橈骨頭置換術の治療成績について検討した.2005年から2017年に人工橈骨頭置換術を行い術後6か月以上の経過観察が可能であった17例を対象とした.受傷時年齢は平均61±16(36~82)歳,男性5例,女性12例であった.使用した機種はnon-cementの2種類で,経過観察期間は平均29.8±18.9(6~72)か月であった.肘関節可動域は伸展平均-13.5±8.7度,屈曲平均128.9±11.1度,前腕可動域は回内平均73.9±22.8度,回外平均74.5±15.8度であった.合併症は遅発性尺骨神経障害を1例,異所性骨化を2例に認めたが,神経損傷,人工橈骨頭抜去,再置換術を認めなかった.自験例の成績は短~中期であるが比較的良好であり,少なくとも高齢者に対しては積極的に行ってよい手術方法であると考えられた.今後,長期にわたり術後経過を観察する必要がある.
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© 2019 日本肘関節学会
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