生態心理学研究
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特集 日本生態心理学会第1回大会 発表論文
乳児期におけるリーチングと姿勢の発達
松裏 寛恵
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2004 年 1 巻 1 号 p. 63-71

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抄録

 一乳児を対象とし,リーチング時の姿勢調整の発達的変化について縦断的観察を行った. リーチング時,乳児は重力の制約下で対象物を見るために頭部を定位し,体幹を主とした動的平衡状態を維持しなければならない.また,うつ伏せでリーチングを行う場合,頭部や上体を支持することと対象物に向かうことの2つの機能が両腕(手) に課される.このような制約下で,乳児はリーチング可能な姿勢を調節し遂行する.様々な条件が混在する日常場面で乳児は姿勢の再調整を繰り返す.時としてこの試みは全身体の回転等の崩れを生じさせる.本研究では,リーチング時において乳児が新しい姿勢調節を知るプロセスを記述することを試みた.

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© 2004 日本生態心理学会
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