抄録
【緒言】特別支援学校理療科におけるカンファレンスの授業は、臨床実習の課題を意
見交換によって解決に導いていく授業で、主体的・対話的で深い学びの場であると考
えられる。しかし、これまでその有効性を学びの視点から評価した研究はない。そこ
でアンケートを通じて授業の有効性を評価するとともに、充実のための支援方法につ
いて検討した。
【方法】対象は3年生徒7名。生徒は授業終了後、発表者用アンケートに自記式質問
紙法により回答した。その後教員は、生徒との個人面接により回答理由を聴取した。
【結果】実現群の占める割合は、主体的学び81.0%、対話的学び79.4%、深い学び
73.9%で、回答数は3つの学びともどちらとも言えない群及び非実現群より有意に
多かった。
【考察】生徒に対する意識調査により、本校の授業において生徒の3つの学びが実現
できていることが明らかとなった。これは、主体的学びについては興味・関心の高さ、
対話的学びについては生徒や教員の有効な発言、深い学びについては自らの思考・発
言によるものと考えられた。今後の授業の充実には、教員が生徒に思考・表現・判断
させる場を設定するのが効果的である可能性が示唆された。