日本中央競馬会競走馬保健研究所報告
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馬におけるACTH-Zによる副腎皮質検査法について
桜井 信雄上原 伸美田口 邦臣藤田 哲雄竹内 啓
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1965 年 1965 巻 3 号 p. 7-11

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抄録

 馬にACTH-Zを投与しそれによる血液変化を経時的に観察し次の結果をえた。1) ACTH-Z投与により馬の好酸球数は著しく減少し,投与量が増すに従い一般に反応は強く現われその回復は遅延する。2) 本実験における日内変動並びに統計処理から考察して,検査のためにはACTH-Zを40 I .U.投与し,16~24hrsに好酸球の減少60%以上を示した場合反応があったものと考えてよい。3) 白血球はACTH-Zによりやや増加,淋巴球比は減少の傾向を示すがこの変化には有意差を認めない。4) 赤血球数,赤沈,Ht値についてはACTH-Zによる変化を殆ど認めない。5) ACTH-Zを馬に投与した場合,ある程度の個体差がみられ,特に投与群の約20%に無反応1馬を認めた。 従って本法を副腎皮質機能の一検査法として実施するためには,これら無反応馬について更にその原因を追究する必要がある。

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