小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
実践論文
小学校教員養成課程におけるビデオ共有 ICT ツールを使用した模擬授業の実践
小林 翔
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キーワード: 教員養成, ICT, 模擬授業
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2024 年 2024 巻 1 号 p. 20-35

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小林 翔(大阪教育大学)

キーワード:教員養成, ICT, 模擬授業

要旨

本実践研究は,小学校教諭を目指している初等教員養成課程の英語の授業における教育向け動画ツールの介入が,参加者に及ぼす影響を考察するものである。2018 年告示の小学校学習指導要領外国語の話すこと(やり取り)では,実際のコミュニケーションにおいて,外国語を用いて主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養うことを目標としている。そこで,本実践研究では,小学校教員養成課程の英語の授業を履修している大学生 55 名を対象に,英語指導力,特に,英語で話すこと(やり取り)に対する意識の変容を目指し,それに関連する発話の抵抗感とコミュニケーションしようとする意思を検証し,教育向け動画ツールを活用した実践の効果を明らかにする。実施期間は 2022 年の

4 月から 8 月までの約 5 ヶ月間である。発話の抵抗感とコミュニケーションしようとする意思の質問紙に回答させた結果,事前と事後においてそれぞれ有意差が見られ,動画撮影機能を効果的に活用して振り返りをすることで,授業改善に繋がることが示唆された。計量テキスト分析の結果,ICT を活用した模擬授業は,自分自身の現状把握や課題点に気づき,英語を話すことに対する意識の変容や,指導力の向上に資する可能性が示された。さらに,振り返る経験や相互フィードバックをさせることで,授業外における予習•復習時間が大幅に増え,理解度が促進され,相手意識をもって意欲的に活動に取り組む傾向が観察された。一方で,動画に対する抵抗感,授業外での課題に対する負担,プライバシーの配慮の必要性,オンライン環境の整備等が課題であることが明らかになった。

本実践研究の意義と背景

本論文は,教育向け動画ツールである Flip(以下, Flip)を活用して,グループ内での模擬授業発表に取り組んだ初等教員養成課程に在籍している大学生の心理的変化について質的•量的データを基に考察した実践報告である。すべての大学の教職課程で共通に修得すべき資質能力を明確化することで教員養成の全国的な水準を確保することを目指し,教職課程コア•カリキュラム 1 の検討•作成が行われてきた(文部科学省, 2017)。大学での教員養成に関しては,小学校教員養成課程の外国語(英語)コア•カリキュラム「外国語に関する専門的事項」と「外国語の指導法」が免許取得希望者全ての対象となっている(東京学芸大学, 2017)。小学校教員養成課程外国語(英語)コア•カリキュラムでは,教員の講義にとどまることなく,1 単位時間(45 分)の授業,あるいは,特定の活動を取り出した模擬授業の学習形態を必ず盛り込むことが求められている。また,Information and Communication

Technology(以下, ICT)等の効果的な活用の仕方について理解し,指導に活かすことや,学習状況の評価(パフォーマンス評価や学習到達目標の活用を含む)についての理解が到達目標に設定されている。しかし,小学校教職課程の限られた授業時間の中で,「英語力」と「英語指導力」をどのように身につけさせられるのかが課題であり(井上他, 2017),指導時間が不足している(飯田他, 2019)。そのため,英語科教育法の授業において模擬授業を試みているが,参加者数が多いことと,授業回数に限りがあるため,一人一人が模擬授業を行う時間を十分に確保することは難しい。そこで,その課題解決に向けて ICT に着目し,Flip の実践に取り組んだ。

Flip(旧称, Flipgrid)とは,マイクロソフト社が無償で提供している動画共有サービスのことであり,ビデオ撮影,編集,共有が 1 つのアプリケーション内で完結できるのが特徴である。本実践研究で Flipを採用した理由は,ICT が備えている機能を活用することで,コア•カリキュラムで求められている模擬授業の効果的な活用と,パフォーマンス評価の実現が可能だと考えたからである。さらに動画の容量を気にする必要がなく,参加コードを知っている参加者間でのみ動画を活用した交流•共有が可能な点と,学習内容の記録,学習成果の発表と共有,学習成果の観察と振り返りが可能(岩居, 2019)な点,世界中の多くの教育関係者に利用されており,仮想学習空間を提供している(Lee, 2020)ため,女全性も確保した上で実践できると考えた。また,ビデオ録画を自己評価することで,第二言語(L2)学習者の言語的な上達に役立つ(Lin, 2015)ことが示されているように,自分のパフォーマンスを評価し,その改善点を追跡することで,反省と自身の批判をするようになり,自信と達成感を持たせることが期待できる。Flip は,教育分野で広く使用されているオンラインビデオ作成,及び,共有プラットフォームであり(Hammett, 2021),学習者が記録した非同期型のビデオを使用しているため,すぐに応答するという緊張感なしに,言語入力を処理するために必要な時間を確保できる(McLain, 2018)。非同期型とは,ビデオ,電子メールや電子掲示板などの時間差を許容するインターネットを介したコミュニケーションのことである(Ngyuen, 2008)。Flip に関する先行研究では,参加者はデジタルテクノロジーの使用を好んでおり,Flip のアプリケーションは使いやすいと感じていることや (Lowenthal & Moore, 2020),全ての生徒がクラスの前で不女を感じることなく発言する機会を提供できること(Tan, 2019),オーラルスキルにおいて,Flip の有効性を示唆している研究等もある(Mango, 2021; Shin & Yunus, 2021)。他にも,ビデオを使ったディスカッションは,クラスメンバー間の繋がりを向上させるという研究結果がある(Moore, 2016; Romero-Hall & Vicentini, 2017)。日本においても,これまで,携帯電話の動画撮影機能と学習記録シートを利用したスピーチのトレーニングにおいて,英語が苦手な学生の自己効力感,学習意欲,動機づけ,技術の向上を報告している研究(牧野, 2014)や,1 人 1 台端末を活用した動画共有の小学校英語の実践が報告されており(服部, 2022; 菅, 2021), Flip は学習の振り返りにも役に立つことが期待できる。振り返りの効果は,専門的能力開発(Cunliffe, 2016)や,教師教育において検証されている(Almusharraf, 2020)。

しかし,日本の初等教育教員養成課程の学生を対象に,模擬授業を発表する場面において,Flip の振り返りの効果を具体的に検証している研究はない。そこで,Flip を活用して効果的に振り返りをする機会が確保されれば,発話の抵抗感の軽減,コミュニケーションをしようとする意思(Willingness to Communicate, WTC)の向上を促す効果があると期待でき,英語指導力や ICT を活用した指導力の伸長にも寄与するだろう。本実践では,初等教員養成課程の大学生を対象に模擬授業時に Flip を活用し,発話の抵抗感や WTC に及ぼす影響について検証し,どのように感じたのかを探った。

  1. 2.   実践
    1.    目的

グループ内で実施する模擬授業の場面において,Flip を活用したことによる効果を探る。実践研究に先立ち,以下の実践研究課題を設定した。

  1. 1)   Flip を活用することで,発話の抵抗感と WTC が改善するか。改善するとしたら,その改善に役立ったのは何か,改善しないとしたら,その要因は何か。
  2. 2)   Flip の活用の有無が参加者に具体的にどのような影響を及ぼすか。
    1.    参加者

参加者は,日本の国立大学に通う3年生60名で,本実践における分析対象者は,欠席した者,回答漏れ等によりデータ欠損のある者を除いた55名であった。小学校教諭の職に就くことを目指している参加者であり,将来の自分の教師像をイメージしながら真面目に授業に取り組んでいる。英語力は,実用英語技能検定に2級32.7%,準2級27.3%,3級9.1%,4級1.8%,5級1.8%と合格しており,取得していないと回答した参加者は25.5%であった。本実践研究に対する協力と守秘義務を順守したデータ使用に関して,参加者から同意を得た。

本実践の授業担当者である筆者は,大学の教育学部で6年間教員養成課程の授業を主に担当しており,その前に高校と中学校で英語教員としての経験が13年あり,初等教育課程や中等教育課程の教員養成の英語科教育法の授業に加え,ICTの授業も担当している。指導観については,学生が自信を持って小学校,中学校,高校教員として教壇に立てるよう,英語力や指導力の向上のみならず,人間力の育成を大切にし,コミュニケーションをとりながら多角的視野を持つことを大切にしている。そのためにも学生に英語の有用感を必然的に味わわせることができる授業を目指して海外と連携した授業や,ICTを取り入れた協働的な学びを通した教育活動を行っている。

学校の特徴としては,前述の通り教員養成課程のため,学生だけでなく,教員も教育現場への関心が高く,授業や教育課題に対して協働的に取り組みやすい環境であると言える。海外からの留学生も多く,ICTを活用した国際交流も多方面で行っている。

内容

本実践は,授業の一環として,小学校教員養成課程の大学生の指導技術の向上を目指して,5 ヶ月間(15 週の授業)にわたって実施された。まず,大学生 60 名を 6 名ずつ A から J の 10 グループに分けた。参加者数が多い授業のため,100 名収容できる大きめの教室を確保し,大学生 60 名の 10 グループが一斉に同時に模擬授業を行えるように,スペースをとって着席するように指示した。15 週の授業の中で,できるだけ多く模擬授業の練習回数を確保できるように,グループ内で 1 名ずつ順番に模

擬授業を行い,一人 5 回実施した。模擬授業の様子は 5 回分(5 週間)全て,学生のスマートフォンのビデオ機能を使って順番にビデオ録画した。模擬授業の実施後,学生は各自のスマートフォンからその動画を Flip に投稿し,共有した。

1 回目と 2 回目の模擬授業の形態は 1 名が教員役,その他 5 名が児童役とし,発音をテーマとして

行った(図 1 参照)。グループ内での初めての模擬授業のため,通常の小学校の授業とは異なり,児童

数が少ないが,少人数で一斉に他のグループも同時に行うことで参加者の心理的負担も少なく,取り組みやすいと考えた。3 回目には少しずつ慣れてきたこともあり,児童役の人数を増やすために 2 グループ合同(12 名)で行い,さらに,模擬授業の形態をティームティーチングとした。つまり,2 名を教員役とし,その他 10 名が児童役となり,クラスルームイングリッシュを使用したスキットをテー

マとして行った(図2 参照)。4 回目の模擬授業の形態も3 回目と同様にティームティーチングで行い,スモールトークがテーマであった。5 回目の模擬授業は最後の発表になるため,通常の小学校のクラスサイズに近い 5 グループ合同(30 名)で行い,ティームティーチングの形態で実施した。3 名を教員役とし,その他 27 名が児童役となり,授業の導入から展開までを通した内容についてのマイクロティーチングを行った。つまり,10 グループ(60 名)を教室の前方の 5 グループ(30 名)と後方の 5グループ(30 名)に分け,同時に実施した。使用した教室は,2 室分の教室を連結した構造になっているため,教室の前後にそれぞれホワイトボードやプロジェクターが設置されている(図 3 と図 4 参照)。

図 1 図 2

1 回目の模擬授業の様子 3 回目の模擬授業の様子

図 3 図 4

5 回目の模擬授業の様子(教室前方) 5 回目の模擬授業の様子(教室後方)

授業後は,Flip を活用し,教員も学生も授業時間内だけでは観察できなかった学生のパフォーマンスを視聴でき,また,学生は,自身の模擬授業動画を視聴し,振り返りを行うことができた。学生は課題として,翌週の授業までに他のグループの模擬授業ビデオを視聴し,互いにアプリケーション上にフィードバックを残すことが求められた。本研究の調査では,模擬授業の際にスマートフォンを用いて毎週ビデオ撮影を行い,その動画を Flip に投稿し,動画を共有した。これにより,相互にフィードバックし,パフォーマンス評価をすることができたという点が,先行研究に見られない独自性のある部分と言える。

分析方法

データ収集には,発話の抵抗感に関する 9 項目の質問紙(磯田, 2008)と WTC に関する 8 項目の質問紙(Yashima, 2009)を用いた。各尺度は無記名方式の 6 件法により測定され,事前と事後に 2 回実

施した。本研究で使用された尺度を付録 1 と 2 に示す。結果の平均は,t 検定(両側)によって分析を行った。また,参加者は本実践の取り組みにどのように感じ,何に気づいたのか,何が発話の抵抗感や WTC に変化を生じさせたのかを検証するために実施後に自由記述式の質問紙を実施した。テキストデータの分析が行えるように形式を整えて表計算ソフト(Excel)に入力し,テキストマイニングのフリー•ソフトウェア KH Coder 3 を利用して,計量テキスト分析を行った。計量テキスト分析は,語の選択にあたり恣意的となりえる手作業を取り除くことで,分析者のもつ理論や予断によるバイアスを極力排除することができるため(樋口,2020),英語教育学•第二言語習得研究において記述データを分析する際に用いられている。さらに,昨年の参加者(Flip 無)と今年の参加者(Flip 有)の 2年間の同一内容のシラバスに基づいた授業アンケートを用いて,模擬授業における Flip の活用の有無が参加者にどのような影響を及ぼしたのかを比較検証した。昨年の参加者(Flip 無)には,2021 年 8月の全員の模擬授業が終了した後に,Flip を用いた授業の方法を紹介し,動画共有アプリケーションの登録や使い方の説明を行い,教育内容の均等性を図った。

  1. 4.   本実践研究の成果と考察
    1.    発話の抵抗感とWTC に関する質問紙

発話の抵抗感と WTC に関する指導前後のアンケート結果の平均点の差が統計的に有意か確かめるために,t 検定(両側)を行った。その結果,発話の抵抗感に関して t(54)= 4.60, p < .01, d = .84, WTC に関して t(54)= -7.72, p < .01, d = 1.06 となり,平均点の差は有意水準 1%で統計的に有意であることがわかった。また,効果量も大きな値となった。効果量 d は,Cohen(1988)の判断基準を参照し,d = .20(効果量小),d = .50(効果量中),d = .80(効果量大)とした。それぞれの結果を表 1,図 5,図6 に示す。発話の抵抗感と WTC に関する事前質問紙の信頼性係数は a = .89,a = .74,事後質問紙の信頼性係数は a = .91,a = .78 であった。全体の傾向を見ると,発話の抵抗感について,事後の値が事前の値を下回っており,抵抗感が軽減していることが窺える。WTC については,事後の値が事前の値を上回っており,WTC が向上していることがわかる。

表1

各尺度の記述統計量(N = 55)

M

SD

Skewness

Kurtosis

Minimum

Maximum

事前

発話の抵抗感

事後

4.62

3.89

0.79

0.94

0.08

0.04

-1.21

-0.83

3.22

2.11

6.00

5.67

事前

WTC

事後

3.51

4.04

0.52

0.48

-0.27

-0.39

-0.85

-0.54

2.50

3.00

4.50

4.88

図5 図6

発話の抵抗感の事前と事後の変化 WTCの事前と事後の変化

これらの結果より,情意面に対する意識の変容が見られたことから,本実践研究のFlipを活用した取り組みを通して,発話の抵抗感の軽減とWTCの向上が期待できる可能性が示唆された。

個々の推移とFlip についての自由記述アンケート

全体的には発話の抵抗感の軽減とWTC の向上が見られたが,langtestを使って個々の事前と事後の得点の推移を見ると,発話の抵抗感に関しては14名が,事前と比べて事後は上がっていることが(図7), WTCに関しては3名が,事前と比べて事後は下がっていることが(図8)確認できる。

図7 図8

発話の抵抗感の個々の推移 WTCの個々の推移

事前と比べて事後の段階で発話の抵抗感が高かった14名の結果を補足し,何が発話の抵抗感を高めたのかを検証するために,参加者のアンケートの自由記述を確認した。具体的な根拠や理由を探るために,その特徴を表していると思われる原文例を,個人の識別番号を記載して表2に抜粋し,発話の抵抗感要因を考察する。実践後におけるアンケートの自由記述を確認したところ,大きく分けて以下の6つの要因が発話の抵抗感に影響を与えている可能性があることがわかった。

表2

発話の抵抗感の要因

要因 1:

動画に対する抵抗感

参加者のアンケートの自由記述

解釈•説明
「写真や動画を撮られることが好きではないのでその点はストレスだった。」(A)

動画で撮影するということ自体に抵抗感を抱いていることから,発話に対する抵抗感も高まってしま

ったようである。

要因 2:

授業外での課題

「コメントを毎週ホームワークでするのが少し負担だった。」(B),「授業時間内などにコメントする時間など少しでもとってもらいたかった。」 (C)

授業外での課題の取り組みに負担を感じている様子がみえた。このことから,授業内においても動画視聴や動画に対するフィードバックの時間をとることの重要性を示

唆している。

要因 3:

プライバシーの配慮

「コメントをする際,匿名ではないので改善点を言いにくい。」(D)

オンライン上での相互フィードバックの際に,参加者同士の人間関係を考慮して匿名性でのコメントを許可する配慮が必要であろう。今回使用した Flip では,そのような機能で実施することができなかったが,Padlet 等,他のアプリを使用して匿名の状態で相互フィードバックの工夫をすることでこの

要因には対応可能であろう。

要因 4:

オンライン環境の整備

「動画のせいで携帯の容量がほとんどなくなってしまう。」(E),「少し容

量が重い。」(F)

参加者個人のスマートフォンの使用だけでは,容量の問題があるこ

とがわかった。

要因 5:

携帯電話の使いにくさ

「動画を数秒巻き戻したり,自分のみたいところだけを見るということができなかった所が不便だと感じました。」(G),「スマホを横にしても大画面にならないので,少し動画の画面が小さくて見にくかったように感じました。」(H),「スマホを横にした時に画面が横にならなくて,少し画面が小さいなと感じることはありました。」 (I),「パソコンにアプリを入れてお

くとよかったと思いました。」(J)

動画のアップロードには女定した学校の Wi-Fi や,パソコンを使用する等,用途に応じて携帯電話とパソコンの両方を使い分ける指示をする必要があることがわかった。

要因 6: 「コメントを残す時に,正確に文字を 携帯電話のアプリでは,コメント
コメント入力の不便さ 打つことができなくてメモや LINE を残す際に,パソコンで入力する
にコメントの内容を考えて,Flip にコ ようにスムーズにいかないことが
゜ペする作業がやや煩わしかったか わかった。相互フィードバックを
なと思います。」(K),「コメントを打 する際には,携帯電話のアプリケ
つ際にコメント欄を 1 度閉じるとコ ーションだけでなく,パソコンで
メントが消えてしまうのが,動画を見 のFlip の活用を推奨することでこ
ながら気づいたことをコメントに書 のような課題に対応できるであろ
く時に不便に感じました。」(L),「い う。
ちいちメモに書いてコ゜ーして Flip
に貼り付けるという作業が面倒。」
(M),「Flip のコメントを書く際に濁
点や半濁点が打てない,間違えた時に
戻って訂正することができず間違え
たとこまで全て消さなくてはいけな
いなど不便な点もあった。」(N)

表2の結果から,次のことが発話の抵抗感を引き起こす要因として明らかになった。動画に対する抵抗感,プライバシーの配慮,オンライン環境の整備,携帯電話の使いにくさ,コメント入力の不便さ,といったFlipやICTに関する意見が見られた。今回の対象者については,携帯電話を活用した方法での取り組みが多かったが,パソコンでの活用を勧めることで,このような要因の解決に繋がるであろう。動画の容量についても,Flip上にアップロードし終えたら自身の携帯電話のデータから動画を削除することで容量の問題にも対応可能である。また,授業外での課題の扱いについては,今後の実践でも検討する必要もあるが,パソコンを用いて授業中にその場で視聴,及び,フィードバックする時間を少しでも確保することも必要であろう。

続いて,WTCが低かった3名の参加者のアンケートの自由記述を確認する。WTCの低下に繋がった根拠や理由については,「英語を話すのが苦手なので,自分が英語を話す姿をあまり見たくなかった。」

(A),という記述に見られるように,英語を話すことに苦手意識を持っていることがわかった。この参加者Aは,英語を話すことへの苦手意識に加え,動画撮影に対する抵抗感もあったため,本実践だけではWTCの向上には繋がらなかった。他にも,「動画も良いのですが,やはり対面のほうが臨場感もあってみんなに理解してもらいやすいと思う。」(E),「場の空気感やこちらのメッセージというのは,なかなか動画だけでは伝わらないのかもしれないと思った。」(M)という記述から,対面の方が動画よりも相手に情報が伝達しやいと感じており,対面での方法を好んでいる様子が窺える。

動画撮影機能を活用した実践に関する自由記述アンケート

発話の抵抗感の軽減と,WTCの向上に寄与した要因を確かめるために,実践後の自由記述式アンケートから得たデータの全てを分析対象として,質的分析結果を計量化するためKH Coder 3(樋口, 2020)による前処理を実行した。KH Coder 3は,助詞や助動詞といった語は除外されるため,括弧内の数字

が実際の分析対象となった語を表す。形態素解析エンジンはChaSen(茶答)を用いた。動画撮影機能を活用した実践における感想の集計を行った結果,前処理結果を表す統計情報は,総抽出語数3173(そのうち実際の分析対象とされた用語数は1245),異なり語数457(異なり語数の中でも332が実際の分析に使用された),文111,段落56であった。これらの頻出語のうち上位20語とその出現回数を表3に示す。

表3

Flipの実践についての出現回数が上位20位までの頻出語

順位 抽出語 出現回数 順位 抽出語 出現回数
1 見る 63 11 17
2 自分 45 12 コメント 16
3 授業 44 13 客観 15
4 良い 40 14 模擬 14
5 思う 31 15 Flip 13
6 発表 30 16 改善 12
7 26 17 ICT 11
8 振り返る 20 18 使う 10
9 動画 19 19 知る 9
10 英語 18 20 気づく 8

表3の結果から,「見る」が1位にあり,「自分」,「授業」,「良い」の頻度が上位を占めていることがわかる。実際の自由記述を確認したところ,「自分が実際に行った授業を客観的に見ることができ,英語を話すのに少し慣れてきたように思います。他の人に指摘される点以外にも自分で改善点を見つけることができたりするのが良かった点だと思います。」,「今まで英語に苦手意識があったので,人前に立って授業をするというのはとても緊張しました。でもいきなり最後の模擬授業ではなく,グループの中で何回も英語を人前で話すという機会や,自分の姿を動画で見直して成長している点等見つけることができたので嬉しかったし,とても良い練習になり,授業に肯定的な気持ちで取り組めました。」といった感想や,動画撮影機能を活用することで,自分自身の現状を把握し,課題に気づき,英語を話すことに対して抵抗感が減っており,自身の成長に繋がると感じていることを表す記述が多く出現していた。さらに,「様々な授業の可能性が出てきたように思いました。自分でFlipを使ってみて,私は少し英語を話すことに対する抵抗が減ったように思います。何度も繰り返し話しているのを見てもらったり,それでコメントをもらったりして,良い点を教えてもらうだけで,少し自信がついたように思います。とても楽しくて,苦手とする子が多い子でもとても楽しく英語を学べるなと思いました。(ママ)」といったコミュニケーションに対して肯定的な感想を持ったことが示唆される。

また,表3の5番目から9番目に出現している「思う」,「発表」,「人」,「振り返る」,「動画」の頻出語から,「より多くの人から発表に関してフィードバックをもらえる点に関してとても良かったと思う。自分や友達の動画を見てちゃんとしないといけないという気持ちがより強かった。」とい

った記述も見られた。他にも,クラスメートの動画を視聴してコメントするだけでなく,自分の動画も他者に見られ,さらに他者からのフィードバックをもらえるため,「動画録画を通して自分で振り返ることで,自分を客観的に見ることができ,新しく気づいたことや発見したことがあり,学びに繋がりました。また,より多くの人と発表を共有することで,自分では思いつかなかったアイデアを知ることができたり,良い点を見つけることができました。模擬授業を重ねるにつれて人前で英語を話すことに少しずつ緊張が薄くなりましたが,まだまだ慣れない部分もあり,練習すること,経験することがいかに重要かということを感じました。」と感じるような結果に繋がったと考えることができる。実際に何度も発表の様子を録画して共有し,振り返る経験や相互にフィードバックさせることで,相手意識をもって意欲的に活動に取り組み,発話の抵抗感を軽減し,WTCを高める可能性があることがわかった。

次に,語と語の繋がりを可視化する目的で自由記述の共起ネットワークを描画したものが図9である。なお,最小出現数は4に,共起関係を示す線の数は上位60に設定をして出力した。

図9

Flipの実践における抽出語の共起ネットワーク

図9を見ると,「英語」,「ICT」,「アプリ」,「活用」で形成されるネットワークから,「ICTを積極的に活用できた場面が非常に多かった点が良かったです。英語に対しての不女はありますが,アプリを活用することで英語の授業に対しての不女はなくなりました。」と学生の回答に見られるように,「実際に見ることができないグループの英語の模擬授業もアプリを使って動画で見ることができて良かった。自分の動画を振り返ると良くないところがすごく見えて,授業改善に繋がるので,活用できると思った。」といった感想をもったことが示唆される。

他にも,アプリの動画共有を通して,指導技術の向上や英語の授業改善に繋がったと考えている傾向が見受けられる。実際の回答には,「毎回の英語の授業で,動画アプリで自分達のやり方を振り返ったり,他の人のやり方を見たりすることで学びが大きかったです。ICTを活用することで授業外でもコメントができたことで,いろいろな視点から授業づくりを考えることができました。」といった授業方法の知識の構築や,「自分の英語の発表がどのように周りから見えているのかがよくわかり,改善点や良かった点をしっかりと分析することができたのでとても良かったです。また,アプリで簡単に他の人の発表も見ることができたので,いいところをたくさん見つけられ,自分に活かすことができました。」という記述が見られ,授業改善の良い機会と捉えていることが伺える。

最終的に,参加者55名に対して5つのビデオの合計コメント数は1810回であった。単純計算で1人につき約33回程度のコメントがあり,1回のビデオに対して6個程度のフィードバックをもらっていることがわかった。

授業アンケートの比較

Flipの活用の有無が参加者にどのような影響を及ぼしたのかを検証するために,Flip を使用していなかった2021年に実施した際の参加者の授業アンケートと,Flip を使用した2022年に実施した際の参加者の授業アンケートの結果を比較した結果をそれぞれ図10から図13に示す。なお,2021年にこのアンケート項目に回答した参加者数は47名であり,2022年の参加者の内,このアンケート項目に回答した参加者数は42名であった。本アンケート項目は大学全体で他の授業でも同時に回答期間中に実施しており,回答数をその場で把握できなかったため,年度によって参加者の回答数が異なっている。そこで,図の中に回答の割合を提示して考察する。レーダーグラフの外側に提示されている数値は2021年の数値であり,内側に提示されている数値は2022年の数値である。

図10 図11

授業外学習 理解度

図10の結果から,動画共有サービスを活用した2022年の実践では,週あたりの授業外における予習•復習時間が大幅に増えていることがわかった。具体的には,週あたり4時間以上の回答が,0%から26.2%に,週あたり3時間以上の回答が4.3%から26%に変化しており,約半数の参加者が週に3時間以上の授業外学習に取り組んでいることがわかった。また,図11の授業への理解度に関する結果から,

2022年の実践では,理解度が大幅に促進されていることがわかった。具体的には,2021年の実践では

36.2%が「とても深まった」と回答していたが,2022年の実践では71.4%に増えていることがわかった。

図12 図13

授業への興味や関心 授業に対する意欲

図12の結果を見ると,授業への興味や関心の「そう思う」の回答が,2021年の実践では44.7%だったが,2022年の実践では71.4%に変化しており,Flipの活用によって参加者の授業に対する興味や関心を高めることに繋がる可能性が示唆された。また,図13の結果から,Flipの活用によって参加者の授業に対する意欲が変容していることが示された。具体的には,「そう思う」の回答が,57.4%から83.3%に変化しており,多くの参加者が意欲的にこの授業に取り組めたことがわかった。

影響を及ぼした要因を検証するために,参加者の自由記述のアンケートを確認した。まず,「授業外学習」について,具体的な根拠や理由を探るために,各項目の自由記述の中で特徴を表していると思われる原文例を掲載する。「他の授業の模擬授業では,授業中だけでは時間の関係上見れないグループもあったがFlipのおかげで授業時間外でも他の全ての発表を視聴できたので良かった。」,「繰り返し視聴することで,一度見ただけでは気づかないところに気づけ,授業中だけでは見れない人の分まで授業外でも見れたのが便利で,効果的だった。」という記述から,動画視聴のメリットや,繰り返し視聴することの有効性を感じていることがわかった。

次に,何が「理解度」を深化させたと感じたのかを検証するために,参加者の自由記述のアンケートを確認したところ,「他の人の活動を理解し,工夫点について知り,良いアイデアを自分の活動に取り入れたり,文章で意見をもらえたりする点がとても良い学びになり,特に成長に繋がったと思います。」,「対面だとなかなかコメントしづらいところもICTを使うことで様々なコメントを送り合うことができて,色々な人からコメントがくるからすごく参考になり,改善に繋がりました。」,という記述が見られるように,ICTの利点を活かした参加者同士の相互フィードバックの経験が理解度の促進に繋がったことが読み取れる。

「授業への興味や関心」については,「自分の授業をビデオで詳細に振り返った経験は無かったので興味をもって取り組め新鮮でした。」,「自分に対しても他の人に対しても,一歩外から冷静に見ることができる機会というのは貴重だったので,この経験をこれからも活かしていきたい。」,とい

う記述から,動画共有を活用した振り返りに興味や関心を示し,授業改善への重要性に気づいていることがわかった。

「授業に対する意欲」については,「振り返りをしっかり行ったことで,だんだん授業の際に気を 付けたいポイントを意識できるようになり,ここで学んだことは,現場に出たら活かしたいと思った。」,

「動画を手軽に共有•視聴できるため,この先も使いたいと思った。」,「自分自身が前回とどのように変わったのか目に見えて感じることができました。最初の発表と最近の動画を見比べると態度や目線などが全然違っていてこれまでの授業のおかげで自分の授業力が向上したと思います。もっとやりたいです!」という記述が見られるように,学生はICTを活用した具体的な振り返りの経験を通した効果や,自身の授業力の向上に繋がることを体感したことが読み取れる。

まとめ

本実践研究では,小学校教員養成課程における模擬授業の場面でビデオを活用して撮影し,授業後にはビデオを共有した振り返りと相互フィードバックの実践を繰り返し行った。その結果, 明らかになったのは以下の4点である。本実践における動画共有サービスの活用により,1)参加者の発話の抵抗感が軽減され,WTCが改善される傾向が見られることがわかった。2) その要因に,実際に何度もグループ内での発表の様子を録画して共有することで,英語を話すのに慣れることがわかった。また,動画を活用して客観的に振り返ることで,自分自身の現状を把握し,相互にフィードバックさせることで,相手意識をもって意欲的に活動に取り組めることや,新たな課題や,自分自身の指導力の向上に気づくことが示され,指導技術の伸長や授業改善に繋がったと考えている傾向が見られた。3) 一方で,少数ではあるが,発話の抵抗感が改善しなかった要因として,動画に対する抵抗感,授業外での課題に対する負担,プライバシーの配慮の必要性,オンライン環境の整備,携帯電話の使いにくさ,コメント入力の不便さ,が課題であることがわかった。WTCが改善しなかった要因については,英語を話すことに対しての苦手意識に加え,動画撮影に対する抵抗感や対面での方法を好んでいることが影響していることが明らかになった。4) 相互フィードバックすることで,授業外における予習•復習時間が大幅に増えていることや,理解度が大幅に促進されることがわかった。また,参加者の授業への興味や関心を高め,英語授業に対する意欲の変容に繋がる可能性が示唆された。

本実践を振り返ると,これまで課題となっていた模擬授業やパフォーマンス課題の実施回数の担保や授業外学習への橋渡しなど,教室内と教室外を繋ぐことができ,英語でのやり取りが苦手な参加者も含め,クラス全体で取り組むことができた。本実践で活用したFlipは,参加者が好きなだけ授業外で視聴が可能だったため,個別最適な環境で繰り返し視聴することや,他の参加者の発表内容を適宜参照して自分自身の発表に適用することが可能であった。また,他の参加者の発表内容を参考にするだけでなく,友達の発表内容にもフィードバックすることでより良い授業を作ろうとする姿勢など,相互フィードバックの大切さを体感させることにも繋がった。こうした取り組みにより,英語で話すこと(やり取り)に対する意識を変容させ,ICTを活用することで家庭学習を有効に機能させる等,指導力の向上にも寄与したと言える。しかし,少数ではあるが動画撮影や視聴されることに対する抵抗感,授業外での課題に対する負担感等の課題が明らかになった。学習者の負担を抑えるため,個人だけでなく,ペアやグループワークで取り組んでいたが,今後は,ビデオ共有の方法にも更に配慮や

工夫が必要であろう。コア•カリキュラムに明示されている学習形態を取り入れた授業計画と,新学 習指導要領と関わりが強いスピーキング(やり取り)について筆者の授業での実践について報告を行ったが,コア•カリキュラムに沿った授業を効率よく展開させるには,まだまだ検討すべきことがある。導入•展開を扱った模擬授業では3名のティームティーチングのスタイルで20分程度実施させたが,本来の小学校の45分授業での導入•展開•まとめという流れでの授業を筆者の科目で経験させることはできていない。学習者は,Flipを活用することで,より多くの模擬授業を視聴し,フィードバックすることができた。客観的に自己を振り返ることや,他者の授業ビデオから指導法や授業力向上のヒントなど,学ぶことが多かったことは有意義であったが,今後は更に,実践を積み重ねる必要がある。本実践の限界としては,心理的変化についての検証のみで,英語力の変容の検証を行っていないこ

とである。また,5回の模擬授業の教師役の人数が,1人から3人の様に,統一されていないため,指導形態が結果に及ぼす影響もわからない。さらに,相互フィードバックの質や量によって差が生まれている可能性もある。どのようなフィードバックが参加者に影響を及ぼすのか今後の研究としたい。

1. コア•カリキュラムは,「コアカリキュラム」や「コア•カリキュラム」と表記されている。本実践研究では東京学芸大学の文部科学省委託事業の報告書に従って「コア•カリキュラム」という表記を採用している。

付記

なお,本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はない。

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付録

付録 1

付録 2

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