2023 年 23 巻 01 号 p. 132-147
林田 宏一(一般社団法人あかつき心理・教育相談室) 佐藤 玲子(明星大学)
池谷 幸子(岐阜県立岐阜希望が丘特別支援学校) 会田 信子(大田区立入新井第四小学校)
大槻 友紀(明治大学大学院生) 竹内 宣広(平塚市立山下小学校)
松津 英恵(東京学芸大学附属竹早中学校) 川﨑 育臣(和泉市立和気小学校)
四方堂 欣美(横浜市立東台小学校) 三田 祐太(青梅市立第五小学校)
要旨
本課題研究は,「感覚処理の困難」があるために,英語の授業への適応行動や学習に困難のある児童に対し,教室で教師が簡単に実施できるチェックリストを実施し,その結果に基づいて個別の指導計画を作成し,英語の授業に参加しやすくするための提案をすることを目的とする。そのために本研究 では,先行研究をもとに新たなチェックリストを作成し,実際に現場の教師にこのチェックリストを使ってもらい,授業を行ってもらった。その結果,作成したチェックリストは短時間で実施でき,児童の指導に役立つ結果が得られた。今後は,チェックリストの各項目に対して,英語の授業における具体的な困難例と支援例を数多く提示し,より活用しやすいツールにしていくことが課題となった。
本課題研究は,児童の感覚や認知の困難に焦点をあてたチェックリストを活用したアセスメントに 基づき,児童がより学びやすい英語の授業の提案をすることを目的とする。具体的には,①先行研究に倣い学級担任が簡単に使える英語の授業・指導に役立つチェックリストを作成すること,②作成したチェックリストを使ったアセスメントの結果に基づき,児童が抱える様々な困難に対して,英語の授業における具体的な支援例を示すこと,③アセスメントに基づく指導と評価の一体化を図り,授業改善に資すること,④様々な困難を抱える児童だけでなく,クラス全員が学びやすい環境にするため
の授業提案を行うものとする。
発達障害児の問題行動の背景に「感覚処理の困難」があることは神経生理学研究において実証されている(岩永,2015)。日本の小学校の通常学級の児童の中にも,感覚処理の困難などがあるために,集団参加や学習がスムーズにいかずに問題行動をしてしまう,つまり学校への適応行動(日常生活をおくるうえで必要となるスキル,辻井,2014)につまずきのある児童がいると考えられる。適応行動をアセスメントするツールの代表例としては,Vineland-Ⅱ適応行動評価尺度の日本版(以下,Vineland-
Ⅱ)を挙げることができる(辻井・村上監修,2014)。しかし,Vineland-Ⅱは,発行している日本文化科学社が使用者レベルを「大学院修士課程で心理検査に関する実践実習を履修した方,または心理検査の実施方法や倫理的利用について同等の教育・研修を受けている方」としており,実際に学校で教師が使用することは難しいものと考える。また,適応行動の困難を引き起こしていると考えられる感覚処理困難の評価を行う児童用のツールとしては,辻井が監修した「日本版 SP 感覚プロファイル(以下,日本版 SP)」(2015)や,岩永が監修した「学校版感覚運動アセスメントシート」(中山・岩永・十枝,2012)がある。しかし,日本版 SP の短縮版においても評価項目が 38 項目あること,また授業外における情報も必要とするため,学級担任が児童の把握に教室で使用することは現実的でない。また障害の有無や,その程度を測定するツールは多くあるが,それらは教師が教室で容易に使用できるツールではない。このように,教室での適応行動の困難さの背景に気付くために,教室で教師が簡単に使えるアセスメントツールはないに等しいのが現状である(山口・佐藤・林田,2021)。よって,個々の適応行動の困難さやそれらを引き起こしていると考えられる感覚処理困難の背景を把握し,子どもの学びやすいやり方で教師が指導するためのヒントが得られるアセスメントツールの作成が求められている。
そこで山口ら(2021)は,特別支援学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編(文部科学省,2018)
「環境の把握」を観点とする発達障害児の感覚処理の困難の評価を行うための観察項目(学習場面 32 項目,生活場面 25 項目,5 件法評価,5:毎時間ある~1:ない)(表1)の作成を試みた。これは,教師が自立活動に示されている内容を理解して,「環境の把握」を観点として問題となる行動の背景を把握できるツールの作成を試みたものである。この研究では,日本版 SP との比較から本観察項目で得られたスコアが高かった児童ほど,感覚の問題を抱えていると考えられたが,学習場面や生活場面のスコアの高低は何を意味するのか,また,学習場面でスコアが高かった児童にはどんな支援が必要なのか,生活場面でスコアが高かった児童にはどんな支援が必要なのか,それぞれの項目で高スコアが出た場合,どのような支援が必要なのかを明らかにしなかった。
学校での適応行動の評価に焦点をあてたアセスメントツールの1つに,「学校適応スキルプロフィ ール(ASIST:Adaptive Skills profile of students : Information for School-teachers & Trainers,以下 ASIST)」
(橋本・熊谷・大友ら編著,2014)(表2)がある。ASIST は,適応行動は知的発達や日常生活を送る上で非常に重要であること,また様々な適応スキルがある中で,学校適応スキルや児童期に焦点を当てているツールは少ないことが背景となって開発されたものである(熊谷・橋本・田口ら,2013)。 ASIST は,A 尺度で学校適応スキルの把握,B 尺度で特別な支援ニーズの把握を行う質問紙調査である。A 尺度では,学校適応スキルの獲得状況を獲得レベルプロフィール(到達学年・到達指数)として評価する(5 つの領域,2 つのスキル群)。B 尺度では,学校適応を妨げる行動や症状,現況,特別な支援ニーズの有無を 3 段階(通常対応・要配慮・要支援)で評価する(10 個の支援領域,2 つのサ
ポート因子,4 つのニーズ側面)。A 尺度が全部で 100 項目,B尺度が全部で 50 項目,合計 150 項目,
件法の質問紙調査である(A 尺度のみ「D:わからない」で評定して良いようになっている)。評価
から集計まで 1 人当たり 40 分程度で実施することができる。ASIST の特筆すべき長所は全項目に対して支援例が示されていることであり,集団参加や学習の習得がスムーズにいかない児童のための個別支援計画の立案などには,非常に役に立つものである(林田・齋藤・岡野ら,2021)。しかし,これらの支援例は学校適応スキルそのものに対する支援の例示に過ぎず,学校適応スキルのつまずきによる授業参加困難の対処例などは示されておらず,通常学級で担任が自ら行う授業づくりの助けになるものではない。
そこで本課題研究は,先行研究をもとに,研究 1 から研究 3 の 3 つの研究を実施した。研究 1 は, 山口ら(2021)で作成した 57 項目の観察項目の改訂版(43 項目)(佐藤・山口・林田ら,2021)をもとに,特に英語の授業における適応行動や学習につまずきのある児童を簡易スクリーニングするチェ ックリストを作成し,それぞれの項目に対して,テスターの観察を補助するための困難例と支援に役立てるための手立て例を複数の専門家で作成するものである。研究 2 は,研究 1 で作成したチェックリストを用いて,その妥当性,信頼性,実用性を検討するものである。具体的には①作成したチェッ クリストと既存のアセスメントツールとの比較(外的基準との比較:妥当性の検討),②作成したチェックリストの内的整合性の検討(各領域の項目の内容が意図したものになっているか),③作成したチェックリストの実用性の検討(簡単に実施でき,かつ活用がしやすいか)を行う。最後に研究3 は,
現場の教師が英語の授業に参加が難しい児童にチェックリスト(研究1 で作成したもの)を実施し, その結果を英語の授業づくりにどのように活用したのかを検証した。
表 1.山口・佐藤・林田で作成した(2021)観察項目(一部抜粋)
学習場面と生活場面における「感覚の問題」についてのチェック項目
対象者の名前: 記入日 年 月 日 記入者: 対象者との関係:
お子様の様子を観察し、下記の配点に従って該当する箇所にチェックをいれてください。
1.ない 2.まれにある 3.ときどきある 4.毎日ある 5.毎時間ある
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表 2.学校適応スキルプロフィール(ASIST)A 尺度 質問項目(一部抜粋)
◎…よくあてはまる/経験していないが、おそらくよくあてはまる △…少しあてはまる(時々あてはまる)
×…あてはまらない/経験していないが、おそらくあてはまらない D…わからない
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山口ら(2021)が作成した発達障害児の感覚処理の困難の評価を行うための観察項目は,43 項目にした改訂版が作成されている(佐藤ら,2021)。これは,学習場面で表れやすい行動 26 項目,生活場
面で表れやすい行動 17 項目で構成されている。本研究では,この改訂版をもとに,英語の授業における適応行動につまずきのある児童を簡易スクリーニングするチェックリストを作成した。
最初に,現場の教師が児童の実態を思い出してチェックしやすい項目であるかを検討するために,
①~⑤の観点で改訂版を精選した。(①感覚処理以外の要因が考えられるため削除,②重複している項目を統合,もしくは,統合後に削除,③言い回しを変更,④英語の授業とは関係のない行動,感覚処 理困難に大きく関係しない行動,授業場面で捉えにくい行動を削除,⑤①~④を実施後,全体を見て内容を追加)
精選した後,特別支援学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編の「環境の把握」に即しているか,「環境の把握」以外にも 6 区分 27 項目の中に該当するものがあるのか,などを確認した。そして,
山口ら(2021)が作成したチェックリストは 5 件法であったが,選択肢の違いが分かりづらい課題があったことから,既存のアセスメントツールの ASIST を参考に 3 件法にした。
教師が感覚処理による困難さを容易に捉えやすくできるように,チェックリストの各項目に対して, 学習場面や生活場面で見られる具体的な困難例を作成した。また,チェックリスト使用時に,すぐに 指導・支援につなげることができるように,具体的な手立て例を作成した。困難例と手立て例は,特別支援学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編を参考にし,複数の担当者(特別支援学校教諭, 心理職,英語教育専門の大学教員)で考えた。
現場の教師が児童の実態を思い出してチェックしやすい項目であるかを検討し,必要な項目を精選した結果,20 項目となった(表 3)。自立活動編の 6 区分 27 項目の何に該当するかを確認した結果,
「環境の把握」以外にも「心理的な安定」「人間関係の形成」「身体の動き」「コミュニケーション」に該当するものもあった。
20 項目が何に焦点を当てたのかを明確にするために,2 つの領域,それぞれの領域に 3 つずつの下位領域を設定した。A 領域は感覚 3 項目,コーピング(対処スキル)4 項目,行動コントロール 3 項目の下位領域で 10 項目となった。B 領域は,聞く・話す 3 項目,読む 3 項目,書く4 項目の下位領域で 10 項目となった。回答方法は ASIST を参考に,よくあてはまる,少しあてはまる,あてはまらない,の順に 2 点,1 点,0 点を入れることにした。
表 3.チェックリストの項目及び自立活動学習指導要領の該当区分,領域,設定した領域・下位領域
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チェックリストの各項目に対する具体的な困難例や手立て例は,表4 のように作成した。特別支援
学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編の第 6 章の「②この項目を中心として設定した具体的な指導内容例と留意点」「③他の項目と関連付けて設定した具体的な指導内容例」を参考に,英語の授業場面に特化する例を含めた。更に,教師がチェックしやすいように困難例も内容を具体的にした。
感覚処理の問題を教師が教室で把握するために,山口ら(2021)は自立活動の「環境の把握」に焦 点を当てて,発達障害児の感覚処理の問題を把握するための観察項目を作成した。しかし,自立活動の具体的な指導内容として「個々の幼児児童生徒の実態把握に基づき,自立を目指して設定される指導目標(ねらい)を達成するために,学習指導要領等に示されている内容から必要な項目を選定し, それらを相互に関連付けて設定されるものである。」(文部科学省,2018,p.25)と述べられている。つまり,現場の教師があらゆる視点で児童生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するためには,環境の把握だけではなく,全区分を含めたチェックリストが必要だと考えられる。本研究で作成したチェックリストがあらゆる区分に該当していることを確認できたことは大きな成果であ る。
本研究で作成した手立て例には,教師が児童に対して行う環境調整だけではなく,「聴覚に過敏さが見られ,特定の音を嫌がることがあるため,自分で苦手な音などを知り,音源を遠ざけたり,イヤーマフやノイズキャンセルヘッドホン等の音量を調節する器具を利用したりするなどして,自分で対処できる方法を身に付けるように指導する。」「場合によっては,遮光眼鏡を装用することでまぶしさを
軽減することができることを伝えたり,遮光眼鏡の装用の機会を設定したりする。」のような,児童自身が感覚過敏に気付けるようにすること,感覚過敏に対して児童自身が改善・克服できる方法を知ること,その方法を実践できる機会を設定すること,などを手立て例として含めた。自立活動では,個別の指導計画を作成する際の配慮事項「具体的な指導内容の設定」の「オ 自ら環境を整える指導内容」では,児童自身が自ら環境に働き掛けられるような力を育むことや段階的に指導する必要性,「カ自己選択・自己決定を促す指導内容」では,改善したり克服したりする際に自ら選んだり,ものごと を決定して実行したりすることを述べている(文部科学省,2018,pp.115-117)。
池谷・村瀬・林田ら(2017)は,ASD のある中学生が光の感覚過敏を軽減できる方法を知り,自分から有色レンズ付き眼鏡を使うことを選び,体験を繰り返したことで,困難さを自分で軽減して克服す ることを学んだ事例を取り上げている。周囲の大人が感覚過敏を抱える児童に対して環境調整をするだけではなく,池谷らの事例や自立活動で述べられている内容のように,児童自身が感覚過敏による困難さを改善・克服できる方法を体験したり,実践したりする環境調整も必要だと思われる。今後は, 作成したチェックリストを活用した事例を集めて,チェックリストの内容や表現が現場の教師にとっ て分かりやすいかどうかを繰り返し検討したり,現場の教師がどのような手立て例を実施しているかを把握して内容を追加したりしていきたい。
表 4.チェックリストの各項目に対する困難例及び手立て例(一部抜粋)
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対象は放課後等デイサービス(以下,放デイ)に通う小学 3 年生~中学 1 年生の通所児童 10 名であ
った。この 10 名に対し,アセスメントツールの使用に対する十分な研修を受けている正職員 4 名でチェックリスト(放デイ実施用に,結果に影響を及ぼさない範囲で一部文言を変更した)を 20XX 年Y 月に実施してもらった(個人情報に配慮し、実施年月は伏せ字にしてある。以下 3 章中は同様。)。
比較に用いた ASIST の実施月は,20XX 年(Y-6)月から 20XX 年Y 月であった。ASIST のA 尺度(領域,項目は表 2 参照)の集団参加スキル群の得点(社会性,行動コントロール:合計 80 点満点)と,
個人活動スキル群の得点(生活習慣,手先の巧緻性,言語表現:合計 120 点満点)を外的基準として設定した。これとチェックリストのA 領域(感覚,コーピング,行動コントロール),B 領域(聞く・話す,読む,書く)の領域別得点(各領域 20 点満点)を比較した。比較に使った領域別得点は,同一事業所,同一の研修を受けているテスター4 名のスコアを同質のものとみなし,合算したもの(4 人合算で各領域 80 点満点)を比較対象とした。チェックリストの A 領域,B 領域で得られた得点と,外的基準として設定した ASIST の集団参加スキル群,個人活動スキル群の得点に,相関があるかどうかを見ることで,作成したチェックリストの妥当性の検討を試みた。
対象は,通常学級に所属する小学 5 年生 81 名(3 クラス)であった。チェックリスト実施者は3 名
(C~E)であった。調査実施月は 20XX 年Z 月であった。実施してもらったチェックリストの結果を集計して,内的整合性(各領域の項目の内容が意図したものになっているか)の確認のため,各領域, 下位領域の Cronbach の α 係数を算出した。
3.1.1 で妥当性の検討を行った調査に参加した放デイの正職員 4 名に,通所児童 10 名の評価に要した時間と,使用した感想を聞いた。また,3.1.2 で得られたデータをもとに,3 クラス各集団内でのカットオフ値,つまり支援の必要な児童を簡易スクリーニングするための基準値の算出を試みた。
妥当性,実用性の検討に関する調査にご協力頂いた放課後等デイサービスを運営する F 社には,調査に関する説明を行い,書面にて発表の承諾を得ている。また調査にご協力いただいた事業所には, 事前に結果を論文等で発表することについて,説明を行った。信頼性,実用性の検討を行ったテスター3 名にも同様に事前に結果を論文等で発表することについて,説明を行った。
結果を表 5 に示す。チェックリストのA 領域得点(感覚,コーピング,行動コントロール)と ASIST
の集団参加スキル群得点(社会性,行動コントロール)の順位相関係数は-0.745(p<.05),チェックリストの B 領域得点(聞く・話す,読む,書く)と ASIST の個人活動スキル群得点(生活習慣,手先の巧緻性,言語表現)の順位相関係数は-0.662(p<.05)だった。
表 5.チェックリストの各領域と外的基準(ASIST)との相関
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結果を表 6 に示す。チェックリストの A 領域 10 項目(感覚,コーピング,行動コントロール),B領域 10 項目(聞く・話す,読む,書く)の Cronbach の α 係数は,それぞれ 0.939,0.919 であった。また,A 領域の下位領域,感覚,コーピング,行動コントロールの Cronbach の α 係数は,それぞれ0.601,0.942,0.928,B 領域の下位領域,聞く・話す,読む,書く,のCronbach の α 係数は,それぞれ 0.911,0.804,0.913 であった。A 領域の下位領域,感覚(3 項目)の Cronbach の α 係数が低いものの,その他 5 つの下位領域については,全体として同じ概念を測定していると考えられる。
表 6.内的整合性の確認(Cronbach の α 係数)
1 人分のチェックリストの実施に要した平均時間は,最短のテスターで 4.5 分,最長のテスターで9 分であった。テスターの感想は,「所要時間は,負担なくできる程度だった」「下位領域「感覚」の評 価が難しかった。ASIST のように丁寧なマニュアルが必要なように思う」「A 領域(感覚,コーピング,行動コントロール)とB 領域(聞く・話す,読む,書く)で比較することによって,優先すべき支援領域がわかる。個別支援計画立案には有効」などが挙げられた。
次に,各集団(C,D,E)で支援の必要な児童を簡易スクリーニングするための基準値の算出についての結果を表 7 に示す。まず,集団ごとに基本統計量を算出,モード,メディアンともに0 になることを確認した。つまり,通常学級でこのチェックリストをつけると,多くの児童が,スコアゼロとなることがわかった。次に標準偏差,変動係数(標準偏差を平均で割ったもの)を見て,散らばりの大きなデータであることを確認した。以上のように,基本統計量を慎重に確認しながら,先行研究と比較し,暫定的に今回のデータで簡易スクリーニングの基準値を,支援レベルに応じて3 段階で決定
することを試みた。橋本ら(2014)によると,支援のレベルには 2 つの観点がある。1 つ目は,時間軸からみていくと「一時的・長期的」という分類があり,範囲からみていくと「限定的・全面的」という分類がある。2 つ目は,学校生活を考えた場合「個別的な支援が必要なレベル(要支援)」「配慮を要するレベル(要配慮)」「通常対応のレベル(通常対応)」という分類がある。本研究では,これに倣い,各領域,各下位領域ともに,平均+1.5 標準偏差以上の値を示した児童を要支援対象と判断し, 平均+1 標準偏差以上の値を示した児童を要配慮対象,平均+1 標準偏差未満の値を示した児童を通常対応対象と判断することとした。
表 7.支援の必要な児童を簡易スクリーニングするための各集団で試みた基準値の算出
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備考
・Ave+1.5SD、Ave+1SDの数値は、小数点以下切り捨て
・Aveは、小数点第2位四捨五入で算出した
・SDは、小数点第4位四捨五入で算出した
*1 Ave、SDが0の場合、基準値を算出していない
*2 +1.5SD、+1SDが0の場合、1以上を要支援とした
*3 +1.5SD=1、+1SD=0の場合、2以上を要支援、1は要配慮
研究 2 では,英語の授業における適応行動につまずきのある児童を簡易スクリーニングするチェックリストの作成の一環として,その妥当性,信頼性,実用性の検討を行った。
妥当性の検討では,ASIST のA 尺度の集団参加スキル群の得点(社会性,行動コントロール)と, 個人活動スキル群の得点(生活習慣,手先の巧緻性,言語表現)を外的基準として設定し,これとチェックリストの A 領域(感覚,コーピング,行動コントロール),B 領域(聞く・話す,読む,書く)の領域別得点を比較した。対象児童 10 名,テスター4 名の分析結果で,十分な数とは言えないが,チェックリストの A 領域(感覚,コーピング,行動コントロール),B 領域(聞く・話す,読む,書く)ともに,設定した外的基準との相関は 5%水準で有意(表 5)であった。チェックリストの各領域別得点と ASIST の各スキル群得点の相関の高低は,チェックリストの妥当性の有無を意味する。チェックリストは困難があるほど,スコアが高くなり,ASIST はスキルが獲得されているほど,スコアが高くなる。よって,今回得られた相関は負の相関であった。
信頼性の検討では,作成したチェックリストを複数の小学校の 5 年生 81 名に実施し,各領域,各下位領域が同じ概念を測定しているか,Cronbach の α 係数を算出し,検討を行った。対象児童 81 名, テスター3 名の分析結果で,十分な数とは言えないが,チェックリストの 2 つの領域が全体として同じ概念を測定していると考えられた。また 6 つの下位領域については,A 領域の下位領域,感覚(3 項目)の Cronbach の α 係数が 0.8 より低いものの,その他5 つの下位領域については,全体として同じ概念を測定していると考えられた。下位領域の感覚の信頼性が十分でない結果が得られている理由としては,「項目 1.音声を使う授業場面などで,耳をふさいだり室外へ出たりして参加しない」では, 音声を使う場面以外でも室外に出てしまう児童も多いこと,「項目2.窓側の席など,明るい場所で極端にまぶしそうにしている」では,客観的に評価することが難しいこと,「項目3.身体接触を伴う授業に参加することを極端に嫌がる」では,コロナ禍において活動制限があり,把握できていないなど が考えられた。
実用性の検討では,まず妥当性の検討のためにチェックリストを実施したテスター4 名に実施時間を測定してもらった。1 人当たりの実施に要した時間は最短のテスターで 4.5 分,最長のテスターで9 分と,短い時間で負担なく,チェックリストを実施できることを確認できた。また,各領域の得点を 比較することによって,優先すべき支援が推測できるという利点を挙げたテスターがいた反面,評価 が難しい項目があり,もっと詳しい評価基準が必要だという問題点を挙げたテスターもいた。今後は もっと多くのテスターに実施してもらい,実用性の向上を図りたい。次に各集団で支援の必要な児童 を簡易スクリーニングするための基準値の算出を試みた。各領域,各下位領域ともに,平均+1.5 標準偏差以上の値を示した児童を「要支援対象」,平均+1 標準偏差以上の値を示した児童を「要配慮対象」, それ未満の児童を「通常対応対象」と判断する基準を示すことができた。しかし,十分な数の分析が無い上,3 人のテスターで平均値のばらつきが出たため,各集団での基準を示すのに留まってしまった。通常学級でこのチェックリストを活用することを考えると,各項目の採点基準をより具体的に示 し,学年ごとに要支援,要配慮と判断するための基準値の算出をすることが今後の課題だと考える。
チェックリストを活用した英語の授業づくりの実践報告は 10 事例あった(6 校,実践者 6 名)。A 領域得点>B 領域得点, A 領域得点≒B 領域得点, A 領域得点<B 領域得点といろいろな事例が見られたが,その中で 2022 年 6 月~7 月にかけて実践を行った A 領域得点>B 領域得点の事例(行動の問題がある)と A 領域得点<B 領域得点の事例(読み書きの困難がある)を取り上げた。
小学校英語授業者である F は,小学 5 年生児童 1 名に対してチェックリストを実施した(以下,実施者 F、実践時期は 2022 年 6 月)。本児童は,じっとして黙っていることができなかったり,常に教 室を歩き回り大きな声を出して他の児童にちょっかいを出したりする行動が学校生活で見られていた。 また,小学校英語授業者である G は,小学 4 年生児童 1 名に対してチェックリストを実施した。(以後実施者 G、実践時期は 2022 年 6 月~7 月)。本児童は,学習用具がそろわない,できないことや分 からないことがあると固まる,読み書きに困難がある,などの様子が学校生活で見られていた。
チェックリストの結果を英語の授業づくりにどのように活用したのかを検証するために,チェックリスト実施者には個別の指導計画を作成してもらった。個別の指導計画には,「単元のねらい」「単元 で行う学習活動」「学習活動で予想される児童の姿」「予想される児童の姿が該当するチェックリストの項目」「手立て」などの項目を設定した。授業者は作成された個別の指導計画に基づいて,英語の授業を実施した。実施時には,授業中に見られた対象児童の具体的な様子や行動を観察してもらった。授業実施後,授業者は実施した指導や手立てを振り返り,個別に記述した。
今回,英語の授業づくりで対象となったチェックリスト実施者F とG には,個人情報がわからないようにした上で,提供された内容を論文等で発表することを説明し,事前に承諾を得ている。
実施者 F と実施者 G が実施したチェックリストの結果を図 1 に示す。実施者 F が実施した結果は, 全領域得点が 20 点,A 領域 16 点(感覚 2 点,コーピング 8 点,行動コントロール 6 点),B 領域 4 点
(聞く・話す 3 点,読む 1 点,書く 0 点)だった。チェックリストを実施した児童が所属する学級で得られた調査結果から,この児童は全領域では要配慮,A 領域では要支援対象と判定した。実施者 G が実施した結果は,全領域得点が 23 点,A 領域 6 点(感覚 2 点,コーピング 1 点,行動コントロール
3 点),B 領域 17 点(聞く・話す 4 点,読む 5 点,書く 8 点)だった。実施者 G は自分が担任する学級で何らかの困難があると判断した児童のみにチェックリストを実施しており,このケースでは要配慮,要支援の判断をするためのカットオフ値の算出をしていない。
図 1.実施者 F とG が実施したチェックリストの結果(左が実施者F,小 5,右が実施者 G,小 4)
点数 判定 合計点数 判定 合計点数
チェックリストの結果に基づいて,実施者 F が作成した個別の指導計画を表 8 に示す。作成した個別の指導計画に基づき授業を実施したところ,身近な人を紹介する活動では,大好きな野球チームのコーチのことを紹介し,次から次へと意欲的に伝えたいことがあふれ出てくるような姿が観察された。身近な人紹介カード作りでは,自分の言いたいことを英語で伝えることに難しさを感じている姿が観察された。授業実施後,授業者は「紹介したい人や紹介したいことが多種多様なため,様々な英文が出てきてしまうので対象児童が理解するのに難しさを感じているようだった。」個別に記述した。
表 8.実施者 F が作成した個別の指導計画(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 4 He can bake bread well.)
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チェックリストの結果に基づいて,実施者 G が作成した個別の指導計画を表 9 に示す。実施者 G は単元として 3 時間を計画した。今回は 1 時間目と 2 時間目の個別指導計画を示す。
表 9.実施者 G が作成した個別の指導計画(Let’s Try! 2 Unit 5 Do you have a pen?)
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作成した個別の指導計画に基づいて 1 時間目の授業を実施したところ,チャンツでリズムに合わせ文具を持っているかを聞いたり伝えたりする活動では,教師が説明時にもチャンツで使った文具カードを使っていたので,活動時にカードに対して違和感をもっている様子はなく,みんなと同じように活動に参加できている様子が観察された。文具のワードをなぞり書きする活動では,教師が紙の裏面 に書かせたい単語を左右反転で事前に書いておき,児童になぞってもらう方法で支援をしたら(以下 裏なぞり書き),すんなりと取り組む様子が観察された。授業実施後,授業者は「他の言葉を知りたい児童がいて,授業全体のバランスがとりづらかった。次回は,扱う文具のワードを筆箱の中身に絞って,活動を設定し,配慮事項を検討したい。」と振り返りを記述していた。2 時間目の授業を実施したところ,文字や絵や言葉のいずれかから自分で表すことができる方法を選んで取り組むことができている様子が観察された。授業実施後,授業者は「前時からあまり時間が経っていないこともあり,前時の活動を覚えている児童が対象児童を含めて全体的に多かった。前時の経験もあったせいか,本時でも活動前には内容を全体に説明してから授業に入ったので,対象児童は進んで活動に参加していた。対象児童を含めて,分からないことや書くことに固まったりイライラしていたりすることはなかった。」 と振り返りを記述していた。
研究 3 では,対象児童にチェックリストを実施し,その結果に基づいて個別の指導計画を作成し, 授業実践を行った。実施者 F が実施したチェックリストの結果は,A 領域が高く,特にコーピング, 行動コントロールの困難が目立つ児童だった。そこで実施者 F は,項目 16(コーピング)「注意されたり,否定されたりしたことを受け入れられない」,項目 19(行動コントロール)「学校生活の場面で, 過剰に興奮する場面が多い」の 2 項目に対し,「リスニング内容を前もって伝え,何を答えるか共有してからリスニングを行う(項目 16)」「やりとりをする相手をはじめは教師と行い,落ち着かせてから他の児童へ聞きに行く(項目 19)」「該当児童が落ち着いて教室にいられるように声かけする声を穏やかに小さい音量で話しかける(項目 19)」という具体的な手立てを立てて授業実践を行った。その結果,難しさを感じている場面はあったものの,前向きに活動に参加できた場面も見られた。これは, 指導内容に対して,児童の予想される動きを想定し,チェックリストの結果を元に具体的な手立てを考えたことが功を奏したと考えられる。
実施者 G が実施したチェックリストの結果は,B 領域が高く,特に書くことに困難が目立つ児童だった。しかし,項目 4~6(聞く・話す)「指示が複数になると,一連の行動をすることが難しい」「自分の気持ちを言葉で他者に伝えられない」「体験したことを相手に分かるように伝えられない」,項目20(行動コントロール)「校内・授業時のルールに沿った行動ができない」に対する配慮も必要な児童 でもあった。そこで実施者 G は,項目 4~6,20 に対して「文具の名前を書くカードを,遊びやサイレントゲームで使ったり,活動内容の説明時に繰り返し提示したりしたことで,初めて見ることや触ることを無い状態にする。」という配慮を実施した。その上で,項目 10~13(書く)「板書の際(見て, 書く)に,著しく時間がかかる」「文字や数字を書くときに,線からはみ出すことが頻繁にある」「文字や数字の大きさや形が極端に整わない」「文字や数字の細かい部分を書き間違えることが多い」の4 項目に対し,1 時間目の授業で複数のなぞり書きを実施したところ,裏なぞり書きにすんなり取り組む様子が観察された。そこから,2 時間目の授業に向けて,「他の教科でも複数のなぞり書きをクラス
全員で経験する。」「文字でも絵でも言葉でもよいことを伝え,取り組みやすくする。」という具体的な手立てを立てて授業実践を行った。その結果,自分で表すことができる方法を選んで取り組むことができている様子が観察された。これは,書くことに困難さが目立つ児童ではあったが,チェックリストの聞く・話す,行動コントロールの項目の困難さが他にも明らかになり,実施する手立ての優先順 位を実施者 G が見極めたことが功を奏したと考えられる。
今回の事例を集めるのに使った個別の指導計画では,「学習活動で予想される児童の姿」の項目で実施者 F とG は異なる内容を記述していた。実施者 F は対象児童の予想される動きについて記述しており,実施者 G は期待する児童の動きについて記述していた。これは「学習活動で予想される児童の姿」の項目の記述内容の捉え方が実施者 F と G で異なっていたことが原因と考えられる。今後の調査では,チェックリストの結果に基づいた個別の指導計画のフォーマットについて,具体的な書き方を現場の教師に示す必要がある。今回は少数の事例の取り組みであった。今後はチェックリストを活用した英語の授業づくりを数多く行い,チェックリストの実用性や活用を検討する必要があると考える。
研究 1 では,山口ら(2021),佐藤ら(2021)で作成した発達障害児の感覚処理の困難の評価を行うための観察項目をもとに,特に英語の授業における適応行動につまずきのある児童を簡易スクリーニングするチェックリストを作成し,それぞれの項目に対して,テスターの観察を補助するための困難例と支援に役立てるための手立て例の作成を行った。その結果,作成したチェックリストは自立活動 の 6 区分のうち,5 区分を網羅していることを確認できた。今後は自立活動の 6 区分 27 項目を網羅した具体的な困難例や手立て例の作成をさらに進めることが課題だと考える。
研究 2 では,研究 1 で作成したチェックリストを使って,その妥当性,信頼性,実用性の検討を試みた。十分な数の分析ではなく,課題は残したものの,作成したチェックリストの妥当性,信頼性, 実用性の確認を行うことができた。しかし,下位領域「感覚」の評価が難しかったこと,学年ごとに
「要支援」,「要配慮」,「通常対応」と判定する基準を定められなかったことが課題だと考える。
研究 3 では,作成したチェックリストを使ったアセスメントに基づく英語の授業実践を報告することができた。日頃の学校生活で困難さは見られていたが,チェックリストを実施することで,その困 難さが目に見える形で明らかになり,それに対する手立てを講じて,授業実践をすることができた。授業に参加する対象児童の変化を観察できただけではなく,次の授業に対する手立ても講じやすくなった。アセスメントに基づく指導と評価の一体化を図り,授業改善に資することができた。また,最初は困難のある児童を対象にした手立てを,次の授業からクラス全員が経験する手立てにして実施した授業実践もあった。これは,クラス全員が学びやすい学習環境にもつながると考えられる。
小学校の英語は平成 23 年度から高学年の外国語活動に導入されたばかりで,授業づくりの知見は他の教科に比べて極めて少ないのが現状である。更に,感覚処理の困難さが原因で授業における適応行動や学習につまずきのある児童の対応も同時に求められており,そのような児童に対して現場の教師が容易に使えるアセスメントツールが少ないことが課題である。今後は,チェックリストを活用し たことで対象児童へアプローチしやすくなった実践や,学級経営を支援した実践を集めて,チェックリストを活用した英語の授業実践を広めていきたい。
本課題研究は小学校英語教育学会課題研究プロジェクトとして行われました。心より感謝申し上げ ます。また本研究で作成したチェックリストを使った調査は,複数の小中学校関係各位,及び株式会社 KB が運営する放課後等デイサービス事業所の皆様にご協力を得ました。深く御礼申し上げます。
本課題研究で作成したチェックリストは,本学会ホームページ「課題研究委員会」のページに掲載して頂きました。使用においての注意事項も併せて記載されていますので,ご活用下さい。
橋本創一・熊谷亮・大友潔・林安紀子・菅野敦(2014).『ASIST 学校適応スキルプロフィール―適応スキル・支援ニーズのアセスメントと支援目標の立案』福村出版.
林田宏一・齋藤佑奈・岡野恵子・可児恵(2021).「ASIST 学校適応スキルプロフィールを用いた個別支援計画作成:放課後等デイサービス事業所における標準化されたアセスメント導入の試み」『岐阜大 学教育学部特別支援教育センター年報』第 28 号,19-24.
池谷幸子・村瀬忍・林田宏一・池谷尚剛・板倉寿明(2017).「日常生活における有色レンズの使用事例の検討」『岐阜大学教育学部研究報告.人文学科』第 65 巻,第 2 巻,111-117.
岩永竜一郎(2015).「第 5 章 感覚や運動のアセスメント」黒田美保(編著)『これからの発達障害のアセスメント―支援の一歩となるために―』(pp. 54-66)金子書房.
熊谷亮・橋本創一・田口禎子・徳増由季子・三浦巧也・堂山亞希・秋山千枝子(2013).「学校における発達支援の視点に立った適応スキル尺度作成の試み―ASIST 学校適応スキルプロフィールの開発に向けた基礎的研究-」『東京学芸大学紀要 総合教育科学系Ⅱ』第 64 巻,第 2 号,265-276.
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辻井正次(監修)(2015).『日本版感覚プロファィル SP』.日本文化科学社.
辻井正次・村上隆(監修)(2014). 『日本版 Vineland™-II 適応行動尺度』日本文化科学社.
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