福岡市を事例に,都市化による緑空間の変容と都市公園の課題について検討した。緑空間は都市の成長と共に減少し,市街地を中心に小規模の緑地が形成される。そして小規模緑地の形成によって都市域の緑空間は市民の日常生活と密接な関係を持つようになるが,都市の外縁部に存在する自然系の緑地と生活圏の緑地をつなぐ連結線や中間拠点が形成されないため,全体的な緑空間のシステムを形成し難い。こうした問題を解決するためには中規模以上の公園を適切に配置しなければならないが,土地取得等の現実的な問題によって,中規模以上の公園は市の境界線や河川等の地形を利用したものとなる。換言すれば,都市公園の今日的課題は,中規模公園の開発であり,地形を有効に利用した配置方法の問題と認識される。