林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
最新号
林業経済研究
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 2024 年 70 巻 2 号 p. Cover_1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
  • 2024 年 70 巻 2 号 p. Toc_1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
  • 興梠 克久
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 2 号 p. 1-17
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    雇用林業労働者だけでなく,自伐・自伐型林業者,林業一人親方を含む「林業従事者」を対象とし,このうち雇用林業労働者と自伐・自伐型林業者について,筆者のこれまでの研究業績を中心にこれまでの論点や今後の研究課題を整理した。雇用林業労働者については,「緑の雇用」の意義(職業適性の判断と強化を図る取り組み,初期教育の標準化からキャリア形成支援への発展,山村への定住支援)を明らかにするとともに,林業における人的資源管理の課題として,近年の強まる人手不足感は林業事業体の雇用戦略にも大きな影響を与えつつあること,言葉で技能を教えるスキルの向上は指導者自身の技能の向上にも寄与する可能性があること,待遇への反映のための能力評価は経営改善ツールとしても有効なこと,これらの取り組みが林業事業体の経営成績にどう表れているのか検証することを挙げた。自伐・自伐型林業者については,戦後の林家経営論レビューを踏まえたうえで,2000年代以降は,個人の動態分析(世代論),集落営林への展開,森林の環境効果への配慮の視点が重要になっていること,自伐・自伐型林業への新規参入過程に関する研究がようやく進みつつあることを指摘した。
  • 田中 亘
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 2 号 p. 18-29
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    1996年に策定された「林業労働力の確保の促進に関する基本方針」は2010年に1度目,2022年に2度目の変更が行われた。本稿は前段で,それらの変更を通じて林業労働力として確保するべき対象が多様化してきたこと,および都道府県の計画へそれらが波及していく経過をまとめた。次いで後段で,新たに加えられた対象のうち,建設業者,障害者,外国人材の林業就労の事例を取り上げて多様な労働力確保促進の可能性と課題を論じた。建設業の林業への参入と障害者雇用の促進に関しては,個別の成果が認められるものの全体を定量的に把握することが難しいことから,次の方針変更時期までに評価軸を明確にしておく必要がある。外国人材の受入れに関しては,本格的な受入れを前にした準備段階にあり,早急に技能修得と監理に関する体制整備を進める必要がある。
  • 公益財団法人阿蘇グリーンストックを事例として
    町田 怜子, 増井 太樹, 茂木 もも子
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 2 号 p. 30-41
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,都市農村交流を通して自然環境保全を目的に1995年に設立された「公益財団法人阿蘇グリーンストック」および関連する野焼き支援ボランティアの活動変遷を分析し,地域住民との連携による資源管理活動の展開について考察した。その結果,「野焼き支援ボランティア派遣の活動始動(1991~1999年)」,「野焼き支援ボランティアの会の誕生・都市農村交流事業への展開(2000~2005年)」,「阿蘇の草原再生のステークホルダーと野焼き支援ボランティア会員の拡大(2005~2011年)」,「野焼き支援ボランティアの安全管理の強化と災害時の地域復興(2012~2015年)」,「熊本地震からの牧野再建と観光振興による草原再生(2016~2019年)」,「多種業とのコラボレーションによる草原保全(2020~2023年)」の6つの期に区分された。活動が継続してきた要因として,①牧野組合に野焼き支援ボランティアを派遣する目標の明確性と安全管理を含めた野焼き支援体制の構築,②農畜産業を基軸とした都市農村交流事業の展開,③災害等の局面にも重要なステークホルダーとして地域の再生・復興をけん引,の3点を指摘した。
  • ニセコルールの事例
    佐賀 彩美, 愛甲 哲也
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 2 号 p. 42-56
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
    国内の自然公園利用者の事故について,国による法制度やリスク管理システムは整備されてこなかったが,北海道ニセコ地域では,地域独自のニセコルールを策定し,スキー場外(バックカントリー)雪崩事故防止に成果を上げている。同ルールは地元のスキー場や関係者により作られた。このような複数の利害関係者が関与するリスク管理は,リスクガバナンスの概念を用いて説明できる可能性がある。本研究では,ニセコルールの成立過程や運用状況が,ガバナンス概念の特徴や,リスクガバナンスのプロセスを示す国際リスクガバナンスセンター (International Risk Governance Center:IRGC) の枠組みに適合しているかを文献・資料および関係者への半構造化インタビューにより検証した。結果,ニセコルールではガバナンスの特徴や上記枠組みの要素に該当する事実が認められたため,これら概念や枠組みは他の自然公園の事故リスク管理にも適用できる可能性があると判断した。
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