林業経済研究
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森林減少とゴム林所有構造の変化 : インドネシア・中部スマトラのダナオ村を事例に
宮本 基杖
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2000 年 46 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

スマトラでは,インドネシア独立後,森林率が著しく低下し,1985年には45%にすぎなくなったと推定されている。本稿では,未開墾地の消失がゴム林の所有構造にどのような影響を与えるかを,ジャンビ州ダナオ村を事例に考察した。全644世帯から任意抽出で選んだ40世帯について聞き取り調査を行なった結果,次の3点が明らかになった。(1)1970年代前半までのゴム林の取得方法は「森林開拓」と「相続」だけであったが,70年代後半から「森林開拓」による取得が減少し,代わって「購入」による取得が増加・主流となる。(2)土地の売買により,ゴム林は村の農業外就業者に集積すると共に,休閑地の多くは村外へと流出した。(3)売買による土地の移動・集積を通して,ゴム林所有規模の階層分化が進行した。

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© 2000 林業経済学会
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