抄録
防除対策及び被害防止を考える上で,ヤマビルの採餌行動の解明は重要であるが,冬季の採餌行動についてはほとんど解明されていない。 ヤマビルは吸血後の休息や産卵のため,温度及び湿度が比較的安定している石や倒木の下などに隠れている。 そこで,それらの個体の採集を定期的に行い,冬季の採餌行動を考察した。 その結果,ヤマビルは冬季においてもかなり活発な採餌行動が認められた。 石の下等に潜伏している個体の約70%が吸血していたことがわかった。 ヤマビル個体群の維持に,冬季の採餌が重要であることが示唆された。