抄録
インドネシアでは年間1万km2ずつ森林が減少している。熱帯林保全の見地からインドネシアでは近年、天然林伐採を制限し、林業省から伐採権を取得した企業に限り森林伐採を行うようになってきている。インドネシアジャワ島の森林伐採を行う最大の企業はPerhutani(林業公社)である。Perhutani施業地における全施業面積の55%を占める主要造林樹種は、Teak(Tectona grandis)であり、本研究はTeak(チーク)に注目した。本研究では、衛星リモートセンシング技術とGIS技術を用い、チアンジュール県におけるチーク造林地の判別、分布特性の把握を行い、チーク造林地選定に資することを目的とした。
使用した衛星データはLandsat ETM+2001年,TM1989,91,92,97,98年,MSS1976,83年の計12シーンである。解析を行う前処理として、より正確なチーク林抽出を行うために衛星画像はすべて修正ミンナート関数により地形補正を行い、陰の影響を低減した。最尤法により土地被覆分類と植生指数を用いてチーク林を抽出した。また1976年__から__2001年の土地被覆分類図から経年的土地被覆変化の傾向を解析した。判別したチーク林分布域においてPerhutaniの森林簿に記載されている地位情報に、地形要因、地質要因、水分条件などのレイヤを、GISを利用して重ね合わせ、チーク造林地の分布特性を解析した。