日本林学会大会発表データベース
第114回 日本林学会大会
セッションID: P2027
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経営II
福岡県東部地域のニホンジカによる森林被害の分布とその生息密度ポテンシャルとの関係
*近藤 洋史池田 浩一小泉 透村上 拓彦吉田 茂二郎今田 盛生
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抄録

平成13年度森林・林業白書にも述べられているように,シカによる枝葉や樹皮の食害,はく皮等が,野生鳥獣による森林被害面積の約6割を占めており,深刻な状況となっている。このような状況の中でニホンジカの生息分布やその密度の解析が課題となっている。そこで,筆者らは,ニホンジカ生息密度分布を把握するため,補間法を応用してニホンジカ生息密度ポテンシャルマップを作成してきた。本報告では,このポテンシャルマップに,既存のニホンジカ被害分布を重ね合わせ,これらの関係について検討した。その結果,生息密度が集中している箇所は西部と中央部とに存在していた。これらの集中している箇所は,どちらも被害が発生している箇所と重なっていることが明らかになった。これは,これまでに作成したポテンシャルマップの正確さを示すものと考えられる。しかし,東部にある被害地域には,生息密度が集中していない。この地域の生息密度調査箇所数をみてみると,集中している2箇所に比べ,たいへん少なくなっている。そのため,この地区では,被害分布と生息密度とに明確な関係がみられなかったと考えられる。

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© 2003 日本林学会
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