日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: A37
会議情報

T1 樹木の環境適応とストレスフィジオロジー
ポプラの環境ストレス関連遺伝子群の解析
*楠城 時彦二村 典宏西口 満伊ヶ崎 知弘篠崎 一雄篠原 健司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
地球環境の保全や修復のため,耐乾性,耐塩性や耐凍性など環境ストレス耐性を向上させた組換え樹木の開発が期待されている。そのためには,まず樹木の環境ストレス応答や耐性のメカニズムを知る必要がある。近年のゲノム科学的解析手法の発展により,シロイヌナズナ等のモデル植物ではストレス応答やストレス耐性に関与する遺伝子が数百個以上存在することが知られている。一方,樹木でも米国を中心にポプラ全ゲノム解読プロジェクトが進行しており,ポプラの「モデル樹木」としての重要性が一層増している。本研究では,無菌的に栽培したセイヨウハコヤナギ(Populus nigra var. italica)組織培養体の葉に,乾燥,高塩濃度,低温,高温,アブシジン酸や過酸化水素の各種ストレス処理を行い,各々の試料から調製したRNAを用いて完全長鎖に富むcDNAライブラリーを構築した。さらに,そのライブラリーから30,000個以上のcDNAクローンの末端塩基配列情報(ESTs)を収集した。これら発現遺伝子群の情報をもとに,ポプラとモデル草本植物の相同性及び特異性について比較ゲノム学的見地から考察する。
著者関連情報
© 2004 日本林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top