日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: P4024
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ザオウカラマツに特異的なSCAR(Sequence Characterized Amplified Region)マーカー
*能勢 美峰
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抄録

カラマツ(ニホンカラマツ;Larix kaempferi)は中部山岳地帯を中心に分布ており、その天然分布地域から約300km離れた宮城県蔵王山系馬ノ神岳にはカラマツ(以下、ザオウカラマツとする)が12個体存在している。ザオウカラマツは外部形態的にはグイマツに類似しており、他の地域のニホンカラマツとは遺伝的に異なっている。現在、ザオウカラマツの個体数の減少が報告されており、遺伝資源保存が求められている。本研究ではニホンカラマツとザオウカラマツの識別を確実に行うため、試料197個体(ザオウカラマツ15、ニホンカラマツ182)を用いてSCARマーカーの開発を試みた。RAPD分析で得られた13組のプライマー対のうち3組がザオウカラマツに特異的なSCARマーカーであったが、それらはどれも完全なものではなかった。しかし3個全てのSCARマーカーを使用することで判別が可能になることがわかった。これにより遺伝的に貴重なザオウカラマツの遺伝資源の現地保存を行う際に、ニホンカラマツの汚染個体の混入を防ぐことができると考えられる。

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© 2004 日本林学会
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