日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: A19
会議情報

造林
異なる間伐法がもたらすヒノキ林の将来林型の予測
*正木 隆梶本 卓也杉田 久志金指 達郎太田 敬之酒井 武斉藤 哲
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

最近、間伐が遅れている人工林で、列状間伐のような定量間伐がおこなわれる事例が増えている。定量間伐のメリットの1つは、主伐前に価格の高い材を生産できることにある。演者の意見としては、主伐時の林型を考慮すればこのような定量間伐は1回のみとし、それ以降は定性間伐に移行するのが妥当であると考えている。しかし、たとえ1回のみとしても、列状間伐のやり方によって将来の林型が影響されるのではなかろうか。たとえば、同じ33%の間伐率としても、1伐2残とするのか、あるいは2伐4残とするのか、によって主伐時の林分構造が異なると予想される。なぜならば2伐4残の場合、1伐2残に比べて樹木の生育に利用されない空間が生じうるし、また、残存列の内部の個体がより強い個体間競合下に置かれるため、主伐時の直径が相対的に細かったり、あるいは主伐時までの自己間引きによる枯損率が高いことが予想される。すなわち、間伐の列幅が広いほど、主伐時に価格の高い材が少なくなるのではなかろうか。そこで本研究では、個体配置と個体間競争を考慮したモデルで林分の各個体の成長をシミュレートし、列状間伐の列幅と主伐時の林分構造の関係を分析する。

著者関連情報
© 2013 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top