抄録
本研究では,独自に考案した隣接個体指数と成長指数の相関関係から,隣接個体が近接で数が多いほどヒノキ個体の成長は阻害されることを示した.研究対象林分は神奈川県相模原市嵐山の北側斜面に位置するヒノキ林である.調査林分から切り出した任意の個体円板の年輪幅を計測し,成長幅の20年積算値や成長断面積の20年積算値等6つの年輪成長に関する値を成長指数と定義した.一方,円板採取個体のa~a+1m(0≦a≦5)における隣接個体数をx,重みづけ値をy=6-aとし,x*yの合計値を隣接個体指数と定義した.任意の5個体に関する隣接個体指数を算出し,各個体の成長指数との相関をとった.その結果,6つの成長指数全てにおいて,相関係数-0.9以上の非常に強い負の相関が算出された.このことから,隣接個体が近接で数が多いほど個体の成長は阻害されることが示されたと考える.隣接個体指数,成長指数を用いて成長予測を行うことで,より効率的で計画的な間伐作業の実現につなげることも可能だと考える.今後の課題としては,ヒノキ林以外の林分に関する追加研究と,個体数を増やした追加調査,本指数を元に間伐予測システムを開発すること等である.