抄録
青森県には、マツノマダラカミキリは生息していないと考えられていたが、1979年の岩手県でのマツ材線虫病被害確認を受け、青森県内の媒介昆虫の侵入・生息状況を監視するため、1980年から誘引トラップなどによるモニタリング調査を開始した。 調査開始から15年目の1995年に秋田県境に近い旧岩崎村大間越地区で初めてマツノマダラカミキリが捕獲された。その後の1999年からは、ほぼ毎年捕獲されるようになったほか、田子町、弘前市、野辺地町でも捕獲実績があった。2004年、県境から秋田県側250m地点での被害発生を受け、県内への被害拡大防止のため、幅2kmの防除帯(マツ生立木を排除した区域)が2箇所設置された。しかし、2011年に大間越地区のマツ林において、自然感染と思われるマツ材線虫病被害木が2本発見された。これらは直ちに駆除され、その後新たな被害木は確認されていない。マツ材線虫病被害の最前線である青森県では、被害の侵入拡大を防止するための各種対策を講じているところである。しかし、秋田県の被害地の北上や地球温暖化の影響などにより、被害の侵入・拡大の危険性は高まっており、今後も被害木の早期発見と適時的確な取組が重要と考えられる。