日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: N03
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生態
温帯性針葉樹の歴史的盛衰から考える中間温帯林の二面性-モミ・ツガ林か、落葉樹林か-
*大住 克博
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抄録
田中壌(1887)の間帯提唱以来、中間温帯の認否については様々な議論がなされてきた。中間温帯論の分かりにくさの一つに、植生のイメージが二面的であることが挙げられる。一つは、モミ‐ツガ帯(鈴木 1952)に代表される温帯性針葉樹林であり、今一つは、ブナを欠いた暖帯落葉樹林帯(吉良 1949)である。前者は主として西日本の太平洋岸山岳地から、後者は東日本の太平洋側の丘陵地から報告されるが、日本植生誌附表の解析からも、東西の中間温帯の植生の乖離は裏付けられる。筆者らは、西日本低地の暖温帯は、かつて温帯性針葉樹を相当混交し、針広混交帯であったと考えるべきことを提唱してきたが、この仮説に立てば、東西の中間温帯の植生の違いは、以下のように説明できる。1)西日本低地では、古代以来の伐採利用により、温帯性針葉樹は消滅した。一方高標高の奥山では、比較的人為撹乱が少なかった暖温帯上部に温帯性針葉樹が多く残り、中間温帯=温帯性針葉樹林のイメージを作った。2)東日本の暖温帯と冷温帯の温度的境界域は低地にあたり、人為撹乱を強く受けてきた。その結果照葉樹や温帯性針葉樹は減少し、中間温帯域=落葉広葉樹林のイメージができた。
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© 2013 日本森林学会
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