抄録
2011年3月の福島原発事故により拡散・沈着した人工放射性核種は東日本の広範囲に及び、放射性セシウムの沈着は栃木県が1%(陸地分22%中)で福島県(15%)、宮城県(3%)に次ぐ。栃木県では園芸用腐葉土の生産・販売が全国ルートとして確立しており落葉採取が専業的に行われてきた。事故後、一端各種堆肥の施用・生産・流通の自粛が促された後、各種堆肥は暫定許容値設定(400 Bq/kg)により自粛廃止に至ったが、腐葉土と剪定枝堆肥は引き続き自粛解除なく今日に至っている。本研究は落葉広葉樹林林床での沈着実態を把握するために、栃木県下のブナ、コナラの落葉広葉樹林を中心に空間線量率の異なる3ヶ所【塩谷郡塩谷町(2)、那須烏山市(1)】で、事故約半年後の2011年秋、1年半後の2012年秋の二時期に、それぞれ空間線量率、表面汚染密度、放射性セシウムの落葉、林床の落葉層(F,H層)、鉱質土層(5cm)の比放射能(Bq/kgDW)の比較を行った。これらの内空間線量率、落葉の比放射能は各地域で減少していた。さらに水平および垂直方向の放射性セシウムの蓄積状況と落葉利用可能性について議論する。