抄録
新燃岳は、2011年1月27日に爆発的噴火を起こし、火口の南東側を中心に大量の火山灰が堆積した。本研究では、この噴火による森林の衰退と回復状況を明らかにすることを目的とした。調査は、火口から南東側約3kmに位置する高千穂河原周辺に、50m×50mの5つのプロットを設定し、胸高直径5cm以上の樹木について、2011年9月および2012年9月に、種名、胸高直径、被害度を記録した。
各プロットはアカマツが優占し、その他にミズナラやカナクギノキ、タンナサワフタギなどの落葉広葉樹が混交するアカマツ林であった。噴火による樹木被害は樹種によって異なっていた。なかでも、優占種であるアカマツが最も影響を受けており、噴火後2年目には多くの個体が枯死していた。一方、広葉樹の被害は小さく枯死した個体は1割程度で、噴火後2年目には衰退した樹冠の葉量が回復する傾向にあった。今回の噴火は落葉期にあたる1月に噴火が起こっているために、噴火時点で葉を着けていた常緑樹のアカマツが被害を大きく受けた可能性がある。これらの結果から、今後はアカマツが優占する林分から、落葉広葉樹が優占する林分へ変化する可能性が高いと考えられた。