日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P1-049
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生態
旧薪炭林におけるブナ母樹の混交率と常緑低木の被覆がブナ実生の発生と生残に及ぼす影響
*原澤 夏穂紙谷 智彦
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抄録
 冷温帯の落葉広葉樹二次林は、過去の薪炭林としての伐採周期に応じてブナやナラ類等が異なる比率で混交している。原植生がブナ林の場合、混交するブナの豊作翌年に発生する大量の実生は、遷移のポテンシャルとなりうる。本研究では前年にブナ落下種子数を調査した二次林において、ブナ母樹の混交率、季節的な光環境、常緑低木の被覆がブナ実生の発生と生残に及ぼす影響を検討する。
 新潟県阿賀町のブナ樹冠密度が異なる落葉広葉樹二次林6林分において、1m×1m の調査枠を各林分20 カ所設置し、6月から10月まで毎月1回、ブナ当年生実生数を記録した。ブナ母樹の混交率は展葉期の空中写真解析により、光環境は光量子センサーで、常緑低木の植被率は写真画像の解析により求めた。
 その結果、落下種子数と実生発生数、また実生発生数と1年目の生残率はそれぞれ無相関であった。そのため、更新には落下後の発芽・生育環境が重要であることが示唆された。一方、実生生残率は落葉期の光環境と相関があった。特に、常緑低木による被陰が発芽後の生残に強く影響を与えていた。以上の結果から、ブナ林への遷移の可能性について考察する。 
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© 2013 日本森林学会
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