抄録
近年、緩中傾斜地の多い北海道ではハーベスタ・フォワーダシステムが導入されつつある。このシステムは生産性が高く労働安全性にも優れているが、大型機械が林内走行するため、環境面での悪影響が懸念されている。本研究では、ハーベスタ・フォワーダシステムによる施業が渓流水の濁りに与える影響を明らかにするため、同システムで間伐が行われた流域(面積44.4ha、平均傾斜17.5°)において、間伐翌年に渓流の浮流土砂濃度を調査した。
出水中の浮流土砂濃度は、流量のピークより前か同時にピークに達し、その後、急速に低下した。同程度の流量ならば、濃度は融雪出水よりも降雨による出水の方が高く、最大で10000ppmを超えた。ただし、落葉期の降雨では極端に高くなることはなかった。これは、積雪や落葉が地表面の雨滴浸食を防いだためと考えられる。浮流土砂の約90%が無機成分であることから、施業により露出した鉱物質土壌の流出が疑われるが、直接的には調査地点直上にある森林作業道の側溝から流入する排水がソースになっている可能性が高い。今後、流域内での浮流土砂発生源についても明らかにしたい。