日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-066
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樹病
メヒルギ稚樹の内生菌相への潮汐による冠水の影響
*亀山 統一
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抄録
メヒルギは、琉球列島の主要なマングローブ樹種であり、その種子は母樹上で発芽し、胚軸を長く伸ばして落下し、漂流後、定着先で発根・展葉する。メヒルギ茎葉における内生菌相の確立過程を明らかにするために、胚軸が未露出の胎生芽、成熟し胚軸が露出した樹上の胎生芽(散布体)、漂流中の散布体、定着し成長を始めた稚樹から、それぞれ内生菌を分離し、種組成や分離頻度を検討した。母樹上の胎生芽の胚軸・子葉では、多くの場合、周囲の成木茎葉と比較して、分離頻度が著しく低く、種組成も相違した。この傾向は、漂流中の散布体や定着後の稚樹でも同様であった。一方、同一林分の樹高の高いメヒルギ成木の茎葉では、後背の陸上森林の構成樹種からもよく分離される、広宿主範囲の数種の内生菌群が優占的であるが、この傾向は成木の樹齢に関係なく現れる。また、これらの優占菌種の分生子をメヒルギ稚樹の葉面に与えると高い感染性を示すことが示されている。以上から、メヒルギ散布体は内生菌の母樹からの伝播や胞子感染の頻度が低く、また、定着後の稚樹は潮汐により冠水する位置では胞子感染が阻害されることにより、内生菌相が成木と異なることが明らかにされた。
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© 2013 日本森林学会
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