日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-089
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生態
養蜂業による樹木蜜源の利用実態―北海道における多様性と地域性―
*真坂 一彦佐藤 孝弘棚橋 生子
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抄録

養蜂業による北海道での蜜源植物の利用実態について,北海道養蜂協会が毎年集計している「みつ源等調査報告書」をもとに分析した。主要な蜜源植物は,蜂蜜生産量が多い順に,ニセアカシア,シナノキ,クローバー,キハダ,アザミ,ソバ,そしてトチノキの7種である。これら7種の蜂蜜生産量に占める樹木蜜源の割合は約70%で,これに森林植生であるアザミを加えると80%弱にのぼり,森林が蜜源域として大きく貢献していた。地域性を評価するため,振興局(支庁)ごとに蜜源植物の利用状況についてクラスター分析したところ,太平洋型,オホーツク型,道北型,道央型,そして道南型と,北海道の地理的区分に対応した5群に分類された。シナノキとキハダについて,各樹種の蓄積とそれらを対象にした蜂群数の関係をみたところ,蓄積が多い地域ほど蜂群数も多い傾向が認められた。各地域の主要7蜜源植物の多様性と全蜂群数のあいだには有意な相関関係があり,蜜源植物が多様な地域ほど生産性が高いことが示唆された。

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© 2013 日本森林学会
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