日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-134
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動物
シカはヒバを好んで食べるか?
*南野 一博寺田 文子佐藤 創
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抄録
北海道においてヒノキアスナロ(以下、ヒバ)は渡島半島のみに分布しているが、過度の伐採や山火事により資源量が激減したことから、近年は各地で人工植栽が行われている。一方、渡島半島ではニホンジカ(以下、シカ)の分布域が拡大し、局所的に高密度に生息しているものの、これまでシカによるヒバへの食害や嗜好性について調査した事例はなかった。そこで、本研究ではヒバ植栽地におけるシカの食害状況を調査するとともに、シカが高密度に生息する地域において、ヒバ、スギ、トドマツ、ミズナラ、ブナの5樹種の苗木を植栽し、シカによる食害状況を記録した。さらにシカが越冬する地域においてヒバを含む樹木の樹皮剥ぎの発生状況を調査した。ヒバ植栽地で発生していた獣害の大部分は野ネズミであり、シカによる食害は確認されなかった。また、苗木の植栽試験ではブナ、ミズナラに顕著な食痕が確認された一方、ヒバ、トドマツは被害が確認されなかった。シカの越冬地では、スギに深刻な樹皮剥ぎ被害が発生していたものの、ヒバは小径木に軽微な被害が確認された程度であった。以上のことから、ヒバはシカの嗜好性が低く、シカ被害を受けにくい樹種であることが示唆された。
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© 2013 日本森林学会
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