本研究はスマートフォンを用いて単木の材積調査や水準器の代替となるアプリケーションを開発し林分調査に役立てようとする研究です。単木の材積調査では望高法の理論に基づいてスマートフォンのカメラ機能とモーションセンサーを利用して樹幹の前にポールを立てて根本と胸高、望高への俯角や仰角を測定し、胸高を利用して三角法の原理によって望高の高さを求めます。そして実際に樹幹の胸高直径を測定することで、望高法の理論に基づいて本アプリケーションによって単木の材積を推定することが可能です。また、水準器代替のアプリケーションではスマートフォンのモーションセンサーとGPSセンサー、電子コンパスを利用することで、スマートフォンを山地などの斜面に置くことで簡単に斜面の角度と方位角、経緯度情報、高度を測定することが可能です。その結果、現地でスマートフォンでスマートフォンの地図を見ながら計測した地点の斜面角度や方位角などの情報を比較することができるようになりました。また、両アプリケーションのデータはテキストファイルに保存され、他のGISシステムと連携することができます。