抄録
近年、管理放棄された竹林での、造林木の枯死による土砂災害の誘発が懸念されている。従来では、タケノコの生産活動によって、竹林が整備されていたが、タケノコ生産量の減少に伴い、管理放棄される放置竹林が増加した。石川県内のタケノコ生産量は、中国からの輸入増加の影響を受け、大きな減少傾向にある。放置竹林は毎年、周辺の造林地に2m程度拡大進行しており、造林地への竹の侵入により、県内各地で造林木の枯死が発生している。竹林の駆除を効率的に行うために、放置竹林における竹駆除後の新竹再生状況調査を毎年行った。その結果、新竹の発生本数は、竹林の伐採率によって異なり、伐採率が高いほど翌年の新竹の発生本数は増加していた。竹の無伐採区では、成立竹本数の0.2‐2.1%の新竹が毎年継続的に発生していたが、皆伐区においては、伐採後3年目に新竹の発生本数が大きく減少した。新竹の直径は、間伐区に比べ、皆伐区では小さくなる傾向にあった。本研究により、竹の駆除後1~2年目に、その再生力が最も盛んになるが、光合成によるエネルギー供給が無い場合は、駆除後3年目には、再生力が大きく減少することが明らかになった。