日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: K13
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動物
桜島におけるマツ材線虫病の変遷とそれに係る要因
*曽根 晃一宮田 晃志松尾 俊幸大久保 恵介畑 邦彦
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抄録

1994年に8年ぶりに発生した桜島のマツ材線虫病は、その発生から終息までを、1994-1998年の侵入・定着期、1999-2002年の拡大期、2003-2005年のピーク期、2006-2009年の減退期、2010年以降の終息期の5つのステージに分けることができる。被害発生当初は大径木のみが枯死していたが、多くの大径木が枯死した2006年以降は小径木や低木へ被害は移行した。1997年以降島内のクロマツ林でカミキリの生息状況やセンチュウ保有状況等を継続して調査した結果、カミキリの生息数(トラップによる捕獲数)、センチュウ保有率、保有センチュウ数の変化が、被害の経過と一致していた。また、拡大期に比べ終息期には、センチュウの病原性が著しく低下していた。大径木に比べ、減退期以降被害の中心となった小径木ではカミキリの生存率が低かった。各種の防除は、カミキリの生息数の減少に著しい効果は認められなかった。降灰は後食を阻害しなかったが、火山灰はカミキリの生存に悪影響を与えていると考えられた。これらの結果をもとに、桜島におけるマツ材線虫病の推移にかかる要因について考察する。

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