日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: L01
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樹病
千葉県における無人ヘリコプターと地上からの薬剤散布による松くい虫防除の効果の検討と散布方法の特徴について
*松浦 孝憲福原 一成遠藤 良太本山 直樹唐 常源孫 静張 翅鵬韓 志偉小林 弘和田畑 勝洋山田 利博
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抄録

【目的】千葉県は、海岸クロマツ林の松くい虫被害対策として、2010年から無人ヘリコプターによる薬剤散布(無人ヘリ散布)を導入した。そこで、従来の地上散布と無人ヘリ散布による松くい虫防除効果の違い及び特徴を明らかにする。【方法】2010~2013年に白子町及び館山市のクロマツ林において、地上散布区、無人ヘリ散布区、無散布区を設定してそれぞれ3回ずつ計6回の試験を行った。各処理区には調査プロットを2~5区設置し、枯損率を求めた。2012年以降は秋に処理区内の全ての立木の樹高を測定し、生存木もしくは枯損木に分けた。【結果】枯損率は、地上散布区で14.9~63.8%、無人ヘリ散布区で1.5~42.2%、無散布区で37.4~96.9%となり、既報と同様に、 地上散布よりも無人ヘリ散布の方が防除効果が高かった。平均樹高は、地上散布区では生存木が5.41m、枯損木が5.79m、無人ヘリ散布区では生存木が5.53m、枯損木が5.49mであり、 地上散布区では有意差が認められた。 このことから、薬剤を地上から散布する地上散布は樹高が高いと防除効果が低下するが、無人ヘリ散布は樹高の影響を受けにくいと考えられる。

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