日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: P1-073
会議情報

遺伝・育種
愛媛に生育するエドヒガンのSSRマーカーによる系統分析
*西原 寿明
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに】愛媛県に生育するエドヒガン・シダレザクラ(バラ科サクラ属サクラ亜科)のうち、栽培個体の多くは天然記念物に指定されているなど、その存在は良く知られているが、野生の個体についての記録はほとんどない。また、これまでこれらの遺伝的な検討を行った報告はなく、系統を分子レベルで解析することは、地域の木の文化の継承や観光利用の面で大変意義深いと考える。***【材料と方法】愛媛県に生育するエドヒガン68個体及びシダレザクラ11個体の葉または冬芽からDNAを抽出した。SSRマーカーには、モモの核SSRマーカー4座及びEST-SSRマーカー8座を用い、DNAシーケンサーとGeneMapperでジェノタイピングを行ない、系統間や個体間に何らかの共通点や相違を解析した。また、オオシマザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノ等51個体との比較を行い、系統樹を作成した。***【結果と考察】用いた12のSSRマーカーでは、供試個体において平均18.12(3~29)の対立遺伝子が見られ、すべての個体識別が可能であったが、栽培個体の中には、いくつかクローンと思われる個体が認められた。***本研究は、(財)愛媛の森林基金委託事業により実施した。

著者関連情報
© 2014 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top