抄録
他の多くの欧州諸国同様に、フィンランドにおいてもリオサミット後の1990年代後半、森林関連法が刷新された。この環境時代の森林法体系に基づき、21世紀初頭のフィンランド森林政策は展開してきた。前回の改正から十数年が経過し、2011 年に成立した中道・左派連合カタイネン政権のコスキネン農林大臣の下で、森林法,森林管理組合法が大改正されることとなった。両法の改正議案は2013年末に国会を通過し,2015 年から施行される見通しである。今回の2つの法改正の大きな特徴は、森林所有者の責任と裁量の増加を目指すものと要約できる。森林所有者の経済的インセンティブを推進力として、適正な森林管理を実現していこうという新たな政策の方向性が示される一方、税金同様の仕組みで森林所有者から半強制的に徴収されていた森林管理賦課金制度は廃止され、また、これまで森林管理を担ってきた森林管理組合は木材販売規制などの半公的性格を大幅に緩和される。本報告では、今後のフィンランド林業に大きな影響を及ぼすであろう森林法・森林管理組合法改正の動向について述べる。