日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1A028
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経営部門
Network Analystを用いた京都府京丹後市における人工林施業のコストシミュレーション
*石橋 早苗長島 啓子田中 和博
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抄録

平成24年に森林計画制度が見直され、市町村が主体となる市町村森林整備計画が新たに求められている。しかし昭和30年代からの林業の衰退により、主体的に動こうとする市町村は少なく、地域の事業体は施業計画に地域の実情を反映できていないのが現状である。地域の主体性を引き出すためには、その地域の事業体の能力等の情報を収集、解析し、問題点等を明示する必要がある。そこで本研究では、京都府京丹後市内の人工林を対象に、ネットワークアナリストを用いたコストシミュレーションを行い、採算性の観点から同市の人工林施業の生産性向上の可能性を探る事を目的とする。まず、京丹後市で行われた人工林施業をビデオで記録し、各作業の処理時間と処理された材積から各作業の生産性を求めた。そして同市の森林簿と路網の幅員から、山土場、山土場兼本土場、本土場の各候補を決定し、ネットワークアナリストを用いて各土場候補の材の集積量を算出することで最終的な土場を全24ヶ所決定した。求めた生産性と土場の集積量から、各土場における作業時間及びコストを算出したところ、木寄が施業時間の約6割を占め、コストも最大でありボトルネックであることが分かった。

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