日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1A047
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三重県大台町におけるH型架線架設可能地の抽出
*長島 啓子笛木 まな美田中 和博
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抄録

三重県大台町では立地環境評価に基づくスギ,ヒノキの適地抽出と,路網からの距離をもとに森林を長伐期施業適地,短伐期施業適地,短伐期施業可能地,林相転換候補地にゾーニングを行っている。しかし,急峻な地形を有する大台町ではH型架線も導入しており,H型架線架設可能地ではこれまでのゾーニングで林相転換候補地となっている林地が施業適地に変化する可能性がある。このため本研究では森林ゾーニングに資するため,H型架線架設可能地をGISを用いて抽出することを目的とした。まず,架線架設面を抽出するために,大台町全域の5mDEMをもとに山地の尾根部を抽出し,尾根部の標高値を用いて主索延長を加味した異動平均面を算出した。得られた架線架設面からDEMを減算し,架線下高を確保できる場所を抽出し,集材用の林道の有無を加味してH型架線架設可能地を抽出した。得られた結果の精度検証のため,抽出結果と実際にH型架線による集材が成された場所の面積を比較したところ,前者は12.7ha,後者は9.2haと3.5haの誤差が見られた。実際の支柱の設置位置により集材範囲に誤差が生じたと考えられるが,広域的に架設可能地を抽出する上では十分な精度が得られたといえる。

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© 2015 日本森林学会
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