日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B002
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造林部門
旧薪炭林地帯におけるブナ二次林の林分構造が樹形に及ぼす影響
*原澤 夏穂小林 誠紙谷 智彦
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キーワード: ブナ二次林, 樹形, 林分構造
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抄録

多雪地にはかつて薪炭林として利用された広葉樹二次林が成熟してきている。なかでも家具材などに利用されるブナの活用が課題となっている。箒状樹形のブナは周囲木の存在によって枝下高などの樹形が影響を受けるとされているために, 用材林として管理するには密度が重要となる可能性がある。本研究は新潟県十日町市松之山とその周辺の地域における旧薪炭林のブナ二次林を対象に, 林分密度が樹形に及ぼす影響について単木と林分の両スケールで評価することを目的とする。
単木スケールでは約16,000m2の林分で1444本の立木位置測量を行い, ArcGISで全立木の半径2m, 4m, 6mのバッファ内本数を算出した。その結果, 胸高直径と全てのバッファ内本数との間に負の相関, また枝下高比は4m, 6mバッファ内本数との間に正の相関がみられた。林分スケールでは26林分に各800m2のプロットを設置し, 林分密度が樹形に及ぼす影響を調べた。その結果, 胸高直径, 枝下高比, 形状比, 樹冠サイズの林分平均値は林分密度, 相対幹距との間に有意な相関があった。したがって, ブナ二次林を用材林として活用するためには単木, 林分の両スケールで好適な樹形に誘導するための密度管理が必要である。

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© 2015 日本森林学会
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