日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B028
会議情報

生態部門
積雪地へのシカ分布域拡大が植生に与える影響
*佐藤 優望月 翔太箕口 秀夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】近年,かつての狩猟圧や積雪などにより分布域が制限され,シカ被害の報告が無かった地域へシカの分布域が拡大しつつある。そこで,積雪地帯において不成績造林地における結果としての広葉樹林化,さらには積極的な資源管理を意識した広葉樹林化に対し,シカの生息復帰によってどのような影響が及ぶのかを明らかにする。【方法】新潟県上越市名立区のスギ人工林を調査地とした。その他の景観要素として落葉広葉樹林,カラマツ人工林,農地が点在している。カメラトラップ法と植生・被害調査を実施し,林分スケールでのシカの利用する環境,その環境に及ぼしている影響を検証した。また,GISを用いて景観スケールでの土地利用形態の影響についても検討した。一般化線形混合モデルを用いて,林分スケール・景観スケールにおけるシカの撮影頻度と周囲の環境との関係について解析を行った。【結果】解析の結果,景観スケールでは広葉樹林の面積率がシカの撮影頻度に正の影響,畑地の面積率がシカの撮影頻度に負の影響を及ぼしていることが明らかとなった。林分スケールでは高木層のDBH,標高が正の影響,低木層の総本数が負の影響を及ぼしていることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top