日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: D01
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造林部門
曲げ特性を用いたクロマツ立木の変形と破壊の経時変化シミュレーション
*南光 一樹鈴木 覚野口 宏典萩野 裕章小倉 晃石田 洋二松元 浩滝本 裕美坂本 知己
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キーワード: 樹木動揺, 根返り, 幹折れ,
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抄録

風・津波・雪崩に対し森林はその流体力の軽減機能を発揮する一方、極端な風・津波・雪崩では樹木は破壊され林業被害や災害拡大を招く。それらの相互的な現象を力学的に解明するためには、流体に対する樹木挙動のシミュレーションが有効である。本研究では、経時的な流速変化に伴うクロマツ立木の変形と破壊について動力学的な再現を試みた。再現に必要な樹木の曲げ特性を得るために、石川県加賀海岸国有林にて6本のクロマツ立木の引き倒し試験を実施し、根返り抵抗回転モーメントを得た。また引き倒した立木から採取した幹15本、根8本の玉切り供試体の三点曲げ破壊試験を実施し、曲げヤング係数と曲げ強度を得た。シミュレーションでは、クロマツ立木を長さ0.1mの円柱セグメントの集合体としてモデル化し、流体荷重から各セグメント接点にかかる回転モーメントを算出し、多自由度の振動方程式を解くことで経時変化する流速に対応した樹木動揺を再現した。接点にかかる内部応力を逐次計算し、幹折れ及び根返りが起きる流速条件を求めた。発表においては、樹木変形を考慮する場合と考慮しない場合の幹折れ及び根返り条件の差異について検討する。

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© 2015 日本森林学会
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