日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P2B128
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生態部門
ピットフォールトラップによるオサムシ類の効率的な調査手法の検討
*山中 聡尾崎 研一弘中 豊
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抄録

昆虫は種数が多い分類群であり、多様性評価のためのサンプリングには多くの時間と労力を必要とする。このため、調査期間の短縮やトラップ数の削減といった効率的な調査手法を開発することが求められている。本研究ではピットフォールトラップで得られたオサムシ類のサンプルをもとに各調査地の種数を予測するために必要なトラップ数の算出を行った。オサムシ類のサンプリングは2013年の6~8月に北海道芦別市の6つの林分(トドマツ林と天然林)で行った。各林分には、各月1週間、40個のピットフォールトラップを設置した。得られたサンプルはトラップごとに集計し、トラップ数(1~40個)に応じた推定種数をACE(Abundance Coverage-based Estimator)を用いて林分ごとに算出した。全てのトラップ(40個)を用いて得られた値を真の種数の推定値とし、真の種数の推定値を得るために必要なトラップ数を林分ごとに算出したところ、推定誤差を±10%まで許容すれば40個設置したトラップを20個に削減できることが明らかとなった。本研究はACEを用いることで限られたトラップから種数を予測でき、設置トラップ数を削減できることを示した。

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© 2015 日本森林学会
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