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第126回日本森林学会大会
セッションID: D11
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造林部門
豪雪薪炭林地帯における新たなブナ林業展開の可能性
*紙谷 智彦原澤 夏穂小林 誠
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抄録

新潟県の豪雪ブナ林地帯には、広葉樹が薪材として短い周期で商業的に伐採され、河川で流送された地域がある。一方、薪材の流送に不向きな地域では、運搬が容易な炭の材料として良質なナラ類が好んで伐採され、その結果、相対的に伐採頻度が低かったブナ林が良好に更新してきた。
そのようなブナ林は、薪炭林としての機能が放棄された後も未利用のまま成長を続け、今日では堅果生産量が増大し、林冠ギャップが生じるなど、構造的に成熟段階に入りつつある林分が出現してきた。これまで皆伐天然下種で伐採された高海抜地のブナ天然林では、ササが大きな更新阻害要因になったのに対して、低海抜地で薪炭林として利用されてきたブナ二次林にはササが少なく、近年では稚樹バンクも見られる。
そこで本研究は、豪雪薪炭林跡地に再生したブナの林業樹種としての活用を検討する。調査地の新潟県松之山地域には、点在する集落近傍の薪炭林跡地に、ブナ二次林が散在している。この地域のブナ林26林分を対象に、樹高・枝下高・胸高直径・樹冠サイズを測定し、その特徴を明らかにするとともに、林業的に活用する場合の課題について検討する。

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