抄録
林家の経営行動の要因として、保有山林状況や地域的差異の他に、世帯や世帯員の状況が大きいと考えられる。そこで農林業センサスにおける家族林業経営体について、2005・10年個票を接続加工したミクロデータを用い、経営主など世帯員の状況、世代数、農業・非農業経営体の相違などで経営体の分類を試み、林業経営活動との関係を分析した。世代数分類による観察では、3世代等世帯が最も多いが減少しており、1人世帯は数%で、非農業経営体に限れば構成比は倍となる。両センサスで継続して林業経営体であった割合は、1世代~3世代等世帯で5割以上だが、1人世帯では4割にとどまる。林業従事・作業実施・林産物販売状況は、1人世帯で低調だが他で大きな差は見られない。経営主の交代は、両センサス間に7分の1で起きたと推定され、1世代世帯では女性への交代が多い。経営主が男性から女性に交代した場合は、作業実施率の低下がやや目立つ。これら得られた知見を報告する。