日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T12-04
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T12. 国際認定は地元を豊かにしたのか -世界自然遺産、エコパーク、世界農業遺産、ジオパークの定量・定性的分析事例から-
世界自然遺産候補地としてのやんばる森林の現状と保全管理の諸課題
*芝 正己Azita Zawawi AhmadJanatun Jemali Noor
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抄録

【目的】平成26年1月、「奄美・琉球」世界自然遺産候補地の絞り込み地域として、鹿児島県の「奄美大島」と「徳之島」、沖縄県の「本島北部」と「西表島」の4島がUNESCOWHCに回答され、今後は、科学委員会、両地域WG、地域連絡会議が連携して「推薦書」及び「管理計画」作成に取組む。本研究では、4島候補地の内、「沖縄島北部」に絞って取組みの現状・課題等を検証する。
【方法】国内既存4世界自然遺産に関する先行研究や文献により問題点・課題を整理すると共に、沖縄県関係の行政資料等の統計処理により特徴や問題点の分析を試みた。
【結果】「沖縄本島北部」候補地の大宜味村・国頭村・東村の3村は、それぞれ隣接しているが、一次産業構造、土地所有、森林面積、観光資源等の状況が大きく異なり、その環境は、1)世界自然遺産保全担保処置としての国立公園指定の基本方針や運用、2) 核心地域・緩衝地帯のゾーニング区分や希少種保護対策等の一元管理、3)遺産価値の保全と利用のトレードオフ(ツーリズム推進と環境負荷、4)地元住民の意向・内発的意識の啓蒙、5)2県4島間の重層的な地域間連携体制の整備等が課題になると考察された。

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